約束だけ

約束だけ</span>
うず
あおいカオスの渦が
二人を呑み込み
流れにおされ
最果て
煙りたち
消え行く魂
混沌の龍泉に
私たちは
お互いの
命の表現を続けながら
来世を信じ
哭きながら
言葉に
溺れ
傲り
酔いつぶれ
飲まれ続ける
時もなく
尺度もなく
肉体も
砂塵に消え
想いは溢れる
ありきたりな詩
愛する君よ
その魂が
「私」と「信」の記号を
知覚していたとしても
未来邂逅は
いたずらに
ままならず
夢現に
微睡み
揺られ
奈落へ墜ちるだろう
かつて詠いし
たまゆらの恋は
浮遊を知らず
微笑みて
沈みゆくのみ
だから
今は
「在りし日」の
笑顔の
君との
約束だけ

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ウォルフガング・アマデウス・モーツアルト

ウォルフガング・アマデウス・モーツアルト
コンスタンチェ
泣かないでおくれ
悪女の君らしくないじゃないか
今 語っている言葉すら
誰かのための誰かのメロディー
演じきるのが音楽家
確かなものは音符を超えた魂の上にあるのに
掴めなくて
必死で足掻いてる
人の台詞ばかり覚えて
自分のメロディーが
二短調になるんだ
正義が愛に破れた日が早くくれば
僕たちは幸せな波長調になれただろう
だけど
もうクスリがないと
眠れないんだ
心が暴れだす
思想が自分を暴き出す
僕を蝕むヨーゼフ二世の声
もう
恐怖心は正直ないんだ
ただ時間と戦っている
残された時間が
生きた証にになるように
しがみつく
金と時間の天秤の傾きは
ジャステスに聞いてくれ
死神の鎌
悪魔の誘い
異質な魔笛が喉元に嵐を呼ぶ
来るべき呪いの日
泣かないで
哭かないでおくれ
コンスタンチェ
僕の曲 僕のメロディー
それは 僕のものではないと
サリエリとカテリーナに伝えておくれ
時代に踊らされるのは
お互い様だと
我は不滅の天才音楽家なり
その称号
時代を超えて魂で楽譜で紡ぐ
未来全ての音楽家たちへ
捧ぐ!

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      大奥が   将軍様を   待っている

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うそつき

うそつき
詩人は 真実を話す嘘つきである
ジャン・コクトーの名言が好きだったきみ
ぼくは、嘘つきになってしまったのだろうか
きみはぼくの描く売れない漫画が大好きで
熱烈な手紙もメールもくれたけど
きみは詩人で
ぼくに詩をかくことをすすめるので
片手間に書いてた詩みたいなものが
一人歩きした頃
きみは
あなたが詩人じゃなきゃ愛せたのに
と 言い残して消えた
ぼくは あれからも詩みたいな
小賢しい文章を連ねている
だけど
ぼくは僕の大嫌いな嘘つきになりさがり
愛を囁くすべてを失った
今でも
きみだけ傍にいてくれて
ぼくだけを理解してくれたなら
詩なんていらなかったのに
という本音すら
デタラメな言葉に聞こえて
自分の胸を抉ってみる
血を見てはきみへの温度を確かめていたのに
それでも
ちいさな甘いトゲたちがちくちくと刺さって
痛くて今はうごけないんだ
きっと 
ぼくは
真実を失った嘘つきである

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安心感

  切り割いて 流れる赤が鳴り止まず 生きる手応え リストカット

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今は亡き巨星に

今は亡き巨星に
「芸術は魂の解放である」
と、伝えたかった
そしてまた
「宗教とは体験である」 
と言ってみたかった
だが
悟ったと思ったときが悟りから一番遠い
と微笑んだ先生
ただ ただ
自然流通に
「生きよ!」と
教えてくれた亡き巨星
私は薄汚れ
這いつくばって
立ち止まりながら
歩いています
あなたがくれた
イノセントの十字架を携えて
泣きながら
哭きながら
ただ
哭きながら
さまよう夜の街
今は
友の涙を
足枷にして
優しい女の 裏切りの言葉に
鉛玉を誂えて
引き摺り
引き摺り
哭きながら
あの世であなたと
酒を酌み交わす約束の日を夢みて
木枯らしの中を
進む!

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未来と過去と過ちと

過去と未来と過ちと
過去と未来と過ちと
いい服より 好きな靴を選ぶのよ
その方が あなたを幸せへと運んでくれるから
どこかの女の名言を信じて 買った白い靴
真っ白だった靴を
今まで踏んで踏んで汚してしまった
実物を見たら 人によっては
味や深みがでたというが
未来を託したときのまま
真っ白に描いてあげるのが
せめてもの 私の優しさ
もう片割れを描いてあげれないのが
私の意地悪
そんなことに
猫は大きな欠伸をし
薔薇は秋が来たと告げる

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くれる

くれる
鏡 割りて虚偽の痛みを素手で知り
写真 破りて過去と決別
恋人 三畳の間で泣き伏し
友 酒飲みて廃人と化す
夕焼け空の向こう側
アスファルトを打ち破る花
道路に咲く白いチョークの夢
子供の約束
錆びたブランコのほほえみ
私を負う母の子守唄
鮮やかによみがえり
泣く 無く 無声の重みを抱え
温もり 呉れて
陽も また 
暮れ行く

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再生

再生
命の種に色が泣く
たどりつけない火達磨の
炎の情熱に ムンクの叫び
ゆがんだ色たちが流れ流され
たどり着くのは賽の河原
鬼のこぬ間に彼岸まで
意志(イシ)の固さで 山づくり
真新しいチューリップの発芽に
暖かい朝露が濡れて
大切に小筆でなぞらえば
重ねあう二つのグラデーションに
朝日が混ざり
名画のオークションが始まってしまうから
競争社会を政治の中に塗りこめと
ニートな模様が もよおして
昨日の廃人(わたし) ハイ さよ オナラ!

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もよう

もよう

もよう
これは あのひとの心模様
これは あのひとの人生模様
そして これが私の病名
恋人の声はマゼンダのように鮮やかで
「信じてないけど 愛しているわ」
あの人の瞳は
コバルトブルーの彼方の哀しみを見つめていて
「折れた翼では もう飛べないよ」
私は有頂天の狂気の臭うマスタードで
「嘘でも褒めてくれたら 裸で踊ってやる」
赤の虚無と青の哀しみと黄色い狂気は
混りあわせると
真っ黒になるんだぜ
私の未来の先の先
今は鮮やかな人生模様と
ひけらかし
餌より頭を撫でて欲しい
捨て犬の気持ちを
おくびにも だすな!
何度も言い聞かせながら
狡猾に配色していくコトバの織物
為平さんの配色って
サイケデリックですね!
ニルバーナの曲が聞こえるようです♪
何も識らない青年
何も知らない若さ
アンタのその
何でも知ってるような無知さが
私は逆に 羨ましい

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