自転車

私は中古品
でも 走れたらいい
ライトもLEDじゃなく 豆電球の橙色
それでも 三メートル先 見えたらいい
けれど五メートル先の人に
私の足は切り刻まれ もう走れなくなりました
 (深夜に聞かれた破裂音
 (タイヤに深い切り傷が
私はずっと 
暗い所は嫌だと 大声で叫んでいたのに
みんな朝までは 
顔についていた耳を取り外していました
中古品というだけで
見切り品という名詞で
裏口に 片付けられていきました
解体された 私の目
バックミラーが
消えた軍手の行方を
捜しています

カテゴリー: 02_詩 パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。