ファントム

服を脱いだら 頭だけになりなさい
そのあとは 感覚だけで
頭と身体を 切断される痛みを知りなさい
君の目に見えるモノの 向こう側をえぐり取り
頭で覚えた文字を身体に刻め
君の唇が赤い理由を 他人が出した舌が翻訳するだろう
もっと脱いだ君を私に見せなさい
髪を振り乱したまま雨に撃たれる、
その黒すぎる末梢神経を、
自らの手で引き裂く覚悟で 紙をかきむしれ
君が流す水という水の 源泉はどこだ
君を焦がす炎の 行き場はどこだ
混沌の空と爆発の光を纏い 
もう一人の他人を飼い慣らすまで
裸で何処までも 街を行け
「ファントム」 私の右側の鼓動
私の吹き溜まりから現れた  炎と水を操る恋人

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