路地裏

路地裏
突き落とされた路地裏で
私は私の影と戦いながら
転がった空き缶に
また飲める水はあるか
自動販売機の返金口に
指を入れては
百円玉が光ってないか
訪ねて歩いた
けれど
落ちていた自宅用の
合い鍵をみては
家の鍵ではないと
決めつけた
死ねばいいのに!
吐かれる言葉は
全て自分への当てつけだと
確信した
路地裏は
いつもどおり
日がのぼり
日がしずむだけなのに
私は荷物たちを握りしめ
影踏みをやめられないまま
路地裏から出られない

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