名前

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同じ夕暮れをみていても
もう同じようには
見えないのは
目が人に 二つ
あったからだろう
その片目同士に
光と逆光の速度で
墜ちて逝く夕日を
僕たちは
【綺麗だ】という
形容詞で簡単に括って捨てる
笑っていても笑っていない
視線の路地裏の店を
さすらえば
君のお腹の中に
贅沢な珍味たちが
放り込まれていたのを
僕も一緒に
漁っている所が見えた
同じものをみていても
綺麗と綺麗事の
区別のつかないような愛に
名詞をつけるなら
ヨルと闇
くらい、の
覚悟

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