小詩  四編    4

小詩四編   4
【すれ違い】
そろそろ来ると
思ったとおりの
すれ違い
【水溶性】
文字が滲むのは
涙のせいね
水性マジックで
君を呼べば
夜が溢れる
【鍛える】
あなたは鉄棒の逆上がりが
上手にできないからといって
手の皮が破れるほど
しがみついて
握りしめてはいけません
鉄棒は汗で錆びて
あなたは淋しくて
逆上がりしたくなるだけです
【逆鱗】
逆なでした冗談は
嘘ではないから
厄介だ
真実みたいに
輝く嘘は
皮肉に彩られ
鱗に尾鰭をつけらた龍は
ストレスを溜め込んで
いずれは
雷を落とすだろう

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