胸には花を

胸には花を
胸には花を
蒼白いか細い腕には
赤黒い注射の跡
車椅子のおじいさんは
動かなくなった足と歴史を語り
忙殺されるサラリーマンは
上司の嫌味に
絡まれ目がまわる
今日もどこかの産婦人科で
胎児がひとり
ゆっくり流れた
人の心には
いつも美しい花が咲いていると
信じたいから
涙で霞んでも
消えないコサージュを
あなたの胸に
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