歯車が狂うように

歯車が狂うように
歯車が狂うように
詩をつづる
ペン先から漏れてく私
棺に文字を入れられて
喋りすぎる言葉の茎が
耳元から伸びゆく
咲いた向日葵が
うなだれて
私の顔色を伺いながら
土色に染まる
私は静かな雨音に
消されて逝く
去りゆく人々の骨を
拾う
墓標
詩人の墓に
添えられた言葉は
喪失
ひとつひとつの
歯車が狂うように
詩人の運命は
張り詰めた
ピアノ線
一筋の音色しか
奏でることを
知らない

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