薔薇の憂鬱と極彩の哀しみ

薔薇の憂鬱と極彩の哀しみ
悲しくて楽しい歌は詠えません地球に独り残された夜
二人裂く 嵐の夜の苛立ちが 瞳(め)から溢れる小さな海辺 
極彩色のアトリエに 今 君在らず 我の内にて閉ざされしまま 
枯れた薔薇 二本差し出す君の手が 描く文字は 居たい 会いたい 
誰一人出会わなければ深海で盲しいた眠れる魚になれた
強気な目 緑のドレスに紅き口 幽閉の画家 タマラ・ド・レンピッカ
別れ際 過去の栄光一編に描きたかったあなたの肖像
紅をさし 黄色い薔薇を 手折る時 花言葉憎くく 唇噛みて
 
朝露に 濡れた赤薔薇 引きちぎる 指に血の痕 嵐の夜明け
 
アイリスの芯の熱にて受粉した 絡めて薫る 濡れた指先

カテゴリー: 06_短歌 パーマリンク

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