廃墟と涙

「廃墟と涙」
彩(あざやかな)世界を見上げ叫んでる空哀しみの観覧車箱
秘密だよだれも秘密の基地だから独りの皇子にひとつの王国
みつけない見つからないの憎しみは壊れた瓶に埋もれたまま
さようなら割れた硝子を曇らせた貴方の眉間と出せない言葉
置き去りに忘れ去られた赤い椅子 主は帰らず褪せた思い出
ここなのよここにあったの学校が宅地で笑う知らない家族
図書館の本ひとつを探すならきっとあそこのチェルノブイリ
ハトロン紙かけて扱う恋人は自分の爪も透明なまま
くたびれたパイプオルガンが引き鳴らすアトランティスのレクイエム奏

カテゴリー: 06_短歌 パーマリンク

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