恋をすると夜が長くなる
早く朝にならないか
あの人が遠くに行かないか
確かめたくて
朝日を手に入れたがる
夢があると夜がうっとうしくなる
閉じ込めた情熱を
仲間と分かち合いたくて
行きたくもない学校が
宴会場になる
夜は私を哲学者にする
とまらない思考回路は
頭蓋骨をはみ出して
一人歩きする
うつろな目で見えるビジョンは
夜が訪れる前に夕焼けに照らされた男の顔
土手に座ってひっそりと血の涙を流していた
私の上にも
あの男の上にも
等しく夜はやってくるだろう
漆黒の大いなる翼に抱かれて
二人とも死体のように眠ればいい
暗闇にやさしさがあるのなら
明日は滅びの笛が聞こえるはずだ

カテゴリー: 02_詩 パーマリンク

への1件のフィードバック

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。