例えばそれは
赤ちゃんの握り拳から
例えばそれは
浅い眠りから
例えばそれは
活火山のマグマから
混沌と極彩の向こう側
ゆらゆらと
浸透してゆく
言葉にならない文字

カテゴリー: 02_詩 | 1件のコメント

バースデー

バースデー
あなたの口に
シフォンの肌を
仄かなは炎は
あなたを温め
歳月が丸みを帯びて
一年の情熱に
火を灯す
この日
初めて泣いた
あなた
金木犀の薫風に寄せて
黄金の祝福と
月桂樹の冠を
今日のあなたに
届けたくて…
カテゴリー: 02_詩 | コメントする

たそがれる

たそがれる
たそがれる
経ち ゆかば
秋  きたり
経ち ゆかば
飽き きたり

カテゴリー: 04_携帯写真+詩 | コメントする

月齢 1.5

月齢1.5
海が荒れてくる
深い底から彷彿と
なにか躰を流れていくような
小さな月を身ごもるような
潮の渦 月の引力に支配された
躰を持つ「女」
苦い夜 甘い夢 掠れた声
私 月齢 1.5

カテゴリー: 02_詩 | コメントする

曼珠沙華

曼珠沙華

曼珠沙華 花冠は燃え尽きて 褪せた涙を夕べに浮かぶ
紅(くれない)の冠(かん)燃え尽きぬ我が永き真夏の恋のぬけがらとして

カテゴリー: 06_短歌 | コメントする

おやすみなさい

おやすみなさい
お休みなさい
大松が炭になるように
マッチが空箱になるように
人の息がリズムよく脈を打つように
忍んでくるのは
黒いルービックキューブの欠片
パズルの一ピースを
張り終えて
完成した地図に横たわり
あなたは朝まで船出する
おやすみなさい
よい航海を

カテゴリー: 02_詩 | コメントする

たそがれる

たそがれる
砂浜にポツンと
白いベンチがひとつ
用意されていた
私はそこに座って
地平線に沈む
夕日をみていた
青かった波は
茜色に染まっていった
私はただ
沈んでゆく夕日を
眺めていた
私がこのベンチに
居座る前に
何人かがここを
通過したらしく
消えない足跡が
ベンチから
北に向かって
遺されていた
私は
白いベンチが
紅蓮の炎に照らされたとき
持っていたボールペンで
落書きした
このベンチに座った者
これから座る者よ
言葉だけおいて
私も逝く
カテゴリー: 02_詩 | コメントする

深海魚

深海魚

潰された光の魚群
盲しいた魚の涙は
静寂に押し込められた
鱗の形
珊瑚に隠した憂いが
光にゆらめく
届かない
羨望の泉水
私の真昼は奪われ続け
動くことも海流にのる術もままならず
幻影だけが水面に浮上し
一片の残骸も遺さないまま
私の訃報が水底で渦を巻く
迷子になった
私の亡霊が
漂流して
盲目に
魂のよみがえりを繰り返す
夜明けに
憧憬の念を抱いて
迷妄の波にさらわれた
己に泣いてみても
黎明も届かない
毎日に
今日を沈めて
目を閉じる

カテゴリー: 02_詩 | コメントする

ネーサンが行く

ネーサンが行く
ネーサンが行く
あたいのカラダで
あんたが触れてないとこなんて
ないんだからね
知ってるくせに
相変わらずの
指使い
変態!
変態!!
変態!!!
そんなに
攻められちゃ
慣れた
あたいだって
あたいだって…
イクゥ〜〜!
カテゴリー: 04_携帯写真+詩 | コメントする

大好きよ

大好きよ
もう少し 早く出会えば 私たち 一緒に泳ぐ魚になれた
長い指 そこに光る指輪には届かぬ愛の距離が流れる
もし君を 私が裏切ることあれば 殺していいよ あなたがすべて
街中で キスをしよう手を繋ごう お酒も飲もう 愛も語ろう
あなたより 先に死んだら ごめんなさい 私は君の 守護霊になるわ
指の間に いつも挟んで吸う煙草 そんな私にいれたらいいのに
今更に あなたを想うと泣けてくる あなたが好きよ こわいくらい
一編のあなたの詩にくるまって眠った夜が何度もあった
意地をはり優しく出来ぬ私にも 全てを認めて赦してくれた
大好きよ世界で一番大好きよ あなたがいると 私は無敵

カテゴリー: 06_短歌 | 1件のコメント