2月27日の夢(携帯電話)

 詩人のYGさんと、これから出す彼の本のことで、まだ決まっていないことを打ち合わせたくて、アポもとらずにいきなり彼の住まいの近くまで行く。そこから電話しようと携帯を取り出すが、どうしても彼の電話番号を検索できない。いろいろ操作しているうちに、「この住所の近くの人たち」というタイトルの一覧表が画面に表示される。カラーの顔写真付きだ。すごい。こんな機能が今の携帯には備わっているのかと驚く。しかし、その顔を一人一人眺めても、彼の顔はない。また、いきなり彼の住所だけが「2-9-17」というように、画面に表示される。ここに住んでいるのか。この住所への行き方を調べようと地図をめくる。今ぼくのいる地下鉄の駅のそばのようだが、地図帳には「この近くで起きたピストルの発砲事件で、流れ弾が達した住宅」という矢印付きの精密な地図があるだけで、かんじんの「2-9-17」を表示した地図は全くない。

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2月26日の夢(汚れた銭湯)

 夜の10時ぐらいに町田の銭湯に出かける。以前に来たときはぼく以外に誰も客がなく、貸し切り状態だったので、今回もそのつもりで来たのだが、驚いたことに広い風呂場内にいくつもある浴槽には、大人か子供が必ず一人二人入っている。しかもお湯は浴槽の底の方に少しあるだけで、それも汚れていて、子供が食べ残したお菓子のかすのようなものまで底にたまっている。といって、ここまで来て、お湯に入らないというわけにはいかない。手近にあったタオルをつかむが、ふとここは銭湯なのだから、ここにあるタオルはすべて客の個人持ちのタオルではないかと、不安になる。タオルをつかんだまま、おそるおそる他の客を見回すが、全員自分のタオルを持っているから、このタオルはぼくが使っても大丈夫のようだ。そのタオルで股間を隠しながら、浴槽の一つに入る。
 さて入浴を終えて、帰ろうとする。玄関で靴をはいて帰ろうとするが、下駄箱にぼくの靴が見あたらない。そこへちょうど見回りの警察官たちが3人顔を出した。ぼくは彼らと番台のおばさんに「靴がない」と訴えるが、「自己責任」だと言って、誰も相手にしてくれない。

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2月25日の夢(世界一の貨物列車)

 デジタルカメラが壊れてしまった(現実にはデジタルカメラは持っていない)ので、新しいフィルムカメラを妻といっしょに買いに行った。
 その途中、雑誌の座談会で使う個室を借りようとホテルに行く。妻をロビーに待たせたまま、ぼくは外に出る。すると目の前に踏切があって、バスでやってきた観光客でみるみるそこがいっぱいになり、通り抜けられなくなってしまう。踏切を貨物列車が通過する。それは世界一の貨物列車で、観光客たちはそれを見物に来たのだ。観光客たちが写真を撮りやすいように、貨物列車はいったん踏切で停止する。なるほど、貨車には半円形の翼のようなものが付いていて、いかにも世界最高の貨物列車だ。ぼくも観光客たちに混じって、買ったばかりのカメラを向けるが、観光客の一人に突き飛ばされたはずみに、カメラの裏蓋が壊れて、開いてしまった。一度も使わないうちに壊れてしまうなんて、悲劇だ。
 さてホテルの広大なエントランスには新旧二つの出入り口があって、そのどちらにも個室があるというので、ぼくはホテルの初老の主人に「日曜日に使わせてください」と予約する(新旧どちらのものだったかは忘れた)。ところが実際に個室を見に行ってみると、そこは海水浴場で、個室というのは砂浜に蚊帳を吊っただけの「海の家」だった。おまけに、そんな蚊帳の個室がいくつも並んでいて、これでは隣の部屋がうるさくて、座談会には使えそうにない。
 妻を呼んで帰ろうと思う。ずーっと遠くのロビーに妻が座っているのが見える。ぼくが手を振って合図すると、彼女は気が付いたようで立ち上がって、こちらへやってくる様子。ところが、今日はお正月なのでたくさんの人が歩いていて、妻はその人波の中に隠れてしまう。そして、いつまでたっても現れない。
 (それと前後するエピソード)妻と誰か有名人のお葬式に出る。超有名人なので、お葬式は沢山の人が出席できるよう、街頭で行われる。参列者の名をマイクで紹介することになる。司会者によってその役に指名された男性は「えー、この漢字は何と読むのでしょうか」と、最初からつまずいている。どうも韓国人の名前の発音に悩んでいるらしい。その名前が呼ばれても、誰も返事をしたり、お辞儀をする者はいない。そもそも広大な街の中に、参列者はたいしていないように見える。退屈だからもう帰ろうと、妻を促す。
 (さらに、それと関連したエピソード)詩人で有名な実業家のT氏となぜか家族になった。成城の駅前で彼とばったり会い、ぼくは「今日の出版記念会は何時からでしたっけ」と、鞄をごそごそ探しながら尋ねる。T氏は「ぼくはちょっと出れないので」と言う。出られないということは、ぼくらの家に帰るのかなあ。でも、いくら家族になったとはいえ、偉い人だから、我が家には帰らずどこかで過ごすのだろうなと思う。

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2月24日の夢(首縄)

 会社の同僚達と大きな旅館かお寺のようなところで合宿している。ぼく以外は全員二階で寝ているが、ぼくだけが一人、一階でぽつんと寝ている。
 食事中、女性社員の0さんが笑いながら、8の字を描いて(むしろ無限大マークといった方がいい)みんなが囲む二つの食卓の周りをスキップしている。「今日は食卓が小さいので、楽だね」とみんなが笑う。0さんも「あはは」と笑いが止まらず、とても楽しそう。だが、食卓の周りが一カ所狭くなっていて、彼女はそこを通り抜けるのに苦労する。
 原宿に撮影に出た。なぜかぼくは道路を這って歩いている。途中、10代の金持ちのどら息子や娘たちが行列をしている店がある。彼らの一人の使用人である中年の「ばあや」が、その命令でどこかへ用足しにやらされる。彼女は和装である。
 ぼくは相変わらず道路を這っていて、そのぼくの首に縄をつけて、女性詩人のW・Mちゃんが自転車に乗ってひっぱっていく。道の途中に岩がでんとあって、ぼくはそれに引っかかってしまうが、彼女は後ろを振り向こうともしない。ぼくは自力でなんとか岩を避けて前進する。

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2月23日の夢(拉致された女性)

 山へ行き、急坂を登っていく。最後は垂直のはしごをよじ登って、向こう側へ降りようとするのだが、向こう側に人がいてじゃまだ。「この野郎」と思いながら、向こう側へ降りてみると、そこは観光バスの中。乗客達からぼくの方が白い目で見られてしまう。
 川の中に木製の杭が沢山打たれ、その杭にぼろぎれが幾つもひっかかっている。実はここは25年前にヨーロッパの観光地で、甘い言葉で宗教団体に引き込まれ、拉致された女性の“家”なのだ。ここは関西で、彼女は今は関西各地のさまざまな場所で講演をして、結構な有名人になっている。ぼく自身も彼女の講演を聴いたことがある。しかし、いまだにこんな水上の巣のような生活をしているのだ。そんなことを連れと話しながら歩いていると、ちょうどその女性とすれちがった。彼女は今は中年で結構太ってしまっている。
 突然、足の痛みを覚える。見ると、足の甲を毒虫が這っている。痛いのに、ぼくは自分でとろうとせず、連れの女性(男性かもしれない)に取ってもらおうとする。

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2月18日の夢(消えた羽田空港)

 フランスにようやく留学できることになり、出国審査の行列に並んでいるが、審査官がいなくなって、なかなか列が進まない。やっと帰ってきたと思ったら、その風采の上がらない中年の審査官は「鉛筆を貸してくれ」と言う。しかし、審査官の目の前の籐で編んだ籠には、よく削られた新品の鉛筆が沢山ある。「ここにあるじゃないか」と、その一本を手にとって渡そうとすると、「削り立ての鉛筆をおろすのはもったいない」と言う。審査官の前に使い古しの鉛筆が一本落ちていた。「ここにあるじゃないか」と、もう一度言い、ぼくはその鉛筆を拾って渡す。審査官はその鉛筆で書類をチェックして、「はいどうぞ」とぼくを通してくれる。しかし、チケットを渡してくれないので、要求してやっと貰うことができた。この男は本当に審査官なのだろうか。
 これで、本当にフランスへ旅立つことができるのだ。ぼくはフランス行きの飛行機で大空へ舞い上がる喜びを想像しながら、勇んで羽田空港への道を歩いていく。途中、舗道が仕切られて、一団の婦人警官たちが訓練を行っている。片側に細い通路があるので、そこを通ろうとすると、向こうから教官らしい婦人警官がその通路を歩いてくる。一人分の幅しかなく、すれ違うのは難しいが、ぼくは急いでいるので、無理矢理彼女の脇をすり抜ける。そこを通り抜けたところで、はっとする。行けども行けども羽田空港がないのだ。しまった。道を間違えたのか。いや、そうではない。あの羽田空港は消え失せてしまったのだ。悲しくて泣きそうになる。

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2月15日の夢(水色の手紙)

 取材の仕事で、ステレオ・カートリッジ(レコードプレーヤーの部品)の新製品の説明を受けに行く。担当技術者の男はこのカートリッジの特許について、早口でまくしたてる。それを聞いて、ぼくは「えっ、マイクロのカートリッジ(意味不明、このあたり夢のメモがよく読みとれない)の特許はないのですか」と質問する。男はゆっくりともったいぶって立ち上がると、台所へ行き、フライパンで何かを炒めながら、「ない、と思いますよ」と、ゆっくり言葉を区切りながら答える。それを聞いて、ぼくは「これは特ダネものだ!」と思う。そこへ少年がやってきて、男にインタビューを始める。普通、インタビューは白い紙に質問を書いてするのだが、彼が用意した紙の中には数枚ごとに水色の紙がある。その水色の紙に書かれた質問は、オーディオ特有の難解な言葉ではなく、普通の言葉で分かりやすく書かれており、耳で聞いてもとてもやわらかく感じる。ぼくは少年の水色の質問を、とてもいいなあと感心する。

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2月13日の夢(美しい街)

 D美術社のT社長から、ある近代詩人の詩集の校正刷りを見せられ、アドバイスを頼まれる。校正刷りには、その詩人の「会議は踊る」という作品の舞台となった当時のモダンな温泉町のカラー写真が組み写真として使われており、「写真 編集部・****商店街」というクレジットが入っている。それを見ているうちに、ぼくはその本の中に入ってしまったらしい。カラフルな写真の街並みの中を歩いていく。商店ごとにキラキラと光る不思議な文字で書かれた店の名前が空中に浮かんでいる。D美術社でもこんなきれいな印刷ができるのだなと感心する。ある商店の入口に、黒い椅子のような見慣れない物体が置かれている。あれは何だろうと目を凝らしているうちに、目覚ましが鳴って目が覚めた。

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2月12日の夢(耳の立つ少年)

 ぼくの編集する雑誌のレイアウトを新しく頼むことにしたのは、まだ小学生の少年だった。もう今日は8日だから、早く頼まないと入稿が遅くなってしまうかもしれない。なぜか会社を出て、外の公衆電話から電話する。電話に出た少年は「明日の朝7時に会いましょう」と言う。早起きの苦手のぼくは「それはいくらなんでも早すぎる。全部の原稿をまとめて渡すから、明後日の11時では?」と返す。いつのまにか少年はぼくの前に立っている。長い耳をしていて、その上端が折れ曲がっていたのが突然ぴんと立つ。「**(覚えていない)すると、耳が立つんですよね」と言う。「知ってますか? Nさんの耳も立つんですよ」と少年はほほえむ。「ふうん? Nさんの耳が立ったら、面白いね」と、ぼくも笑う。

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2月11日の夢(ドアを開けると)

 ぼくはコンサートに出演することになっていて、その出番の時間が迫っている。慌てて指定された会場へ駆けつけると、楽屋のホールはがらんとしていて、ただ一人片岡鶴太郎が立っていて、ぼくに生意気な口調で何か言う(何を言われたかは忘れた)。ともかく、ぼくはステージに通じるはずのドアを開ける。と、そこには懐かしい昭和30年頃の住宅街の手狭な裏庭が広がっている。青空には点々と雲が浮かび、周囲には日本家屋の家並みがしんと静まっている。これはいくら何でもぼくの出るステージではなさそうだ。もう一度楽屋ホールに戻って、もう一つのドアを開ける。そこはもう少し時代が新しくなった住宅街の裏庭で、さっきより少し面積が広い。気がつくと、そこには男が一人立っていて、裏庭を区切る家屋の一つの向こう側を指さす。すると、そちらから女の子たちの嬌声が聞こえてくる。この家並みの向こう側でコンサートが始まっているのだ。見ると、裏庭には二匹の大型犬がいる。一匹は普通に歩いているが、一匹は立ち上がって、ぼくにチンチンをして見せる。
 会社(とは全く違う空間だが)にいて、まだ就業時間中なのに社長が「これから飲み会をする」と言う。社長がぼくに「いいか?」と尋ねるので、「もちろん」と返事はしたものの、仕事をすぐに放り出せるわけではない。後かたづけをしているうちに、社長は詩人の野村喜和夫氏といっしょに飲み会に行ってしまった。飲み会の場所を聞いていないので、あわてて二人の後を追う。隣の部屋との仕切の襖を開けると、知らない男が電話をしている声がする。慌てて閉めて、別のドアから出る。出たところに、別の知らない男がいる。慌てていたので、スリッパの片方が脱げてしまう。そのまま玄関に行くと、自分の靴が見あたらない。慌てて、片足スリッパ、片足はだしのまま外へ出ようとする。玄関は段差になっている。高さ2メートルくらいだ。こんなの降りられないと一瞬ひるむが、周囲で老人たちが平気でそこを降りていくのを見て、ぼくも勇気を出して降りる。左手に長いタクシー待ちの行列がある。しかし、いくら探しても、社長たちの姿はない。
 ぼくのすぐ前に、巨大な木の幹がある。灰色に変色していて、うっかり触るただけで、その木肌に傷がついてしまう。樹木に傷をつけてはいけないと思うが、なんとなく面白くて、今度は意図的に触って傷をつける。そこは洞窟の中で、周囲の壁は木肌とそっくりの灰色の岩でできている。突然、ざざっと音がして、壁の一部が崩れ始める。ぼくが木肌に付けた傷が、洞窟全体に波及したらしい。今度は天井が崩れだした。大慌てで洞窟の外へ脱出する。すると、外には青空が広がっていて、のんびりとした山間の観光地の風景があるだけだ。人々も何事もなかったように、普段通りの生活をしている。これは一体どうしたわけだろう? ぼくは慌てた自分を恥じて、もう一度、洞窟の中に引き返す。

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