9月8日の夢(縦長の映画館)

 医院の待合室がものすごく混んでいる。健康診断に来ている人が多いらしい。窓口で診察券を出そうとして、ポケットの中のものを山のように積み上げるが、見つからない。出てきたのは前回の健康診断書のコピーだ。しかも昔の青写真のような感じだが、青ではなくピンク色だ。それを見せると、窓口の女性に「それならこちらでお預かりしていますよ」と笑われてしまう。
 映画を見ている。ふつう、映画館は横長の空間だが、ここはものすごく縦長の空間に座席が並んでいる。しかも映写されているのはスライドのようで、1カットごとに画面が正方形になったり、横長や縦長に変わる。ぼくはほぼセンターの席で見ているのに、普通の画面サイズでも横が隠れて、見えなくなるのは困ったものだ。

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9月7日の夢(絶望した男)

 不況だ。街は絶望におおわれている。現代ではないらしい。戦前の古い街並みだ。そこへ絶望した男が一人、叫びながら走ってくる。いったん通り過ぎて、また叫びながら戻ってくる。絶望のあまり何をするかわからない。人々はてんでに逃げ散る。ぼくも路地裏に走りこむが、男の目から身を隠しきれない。道路に伏せてみるが、男と目が合ってしまう。
 不思議なことに、ぼくと男は意気投合して、市電を一台借り切り、それを会場に男が常盤津をうたう独演会を開くことにした。一回目はお客が集まらず、大失敗。でも二回目は超満員で大成功だった。ぼくは白い大きな犬と肩を寄せ合い、喜びにひたる。すぐに男もやってきて、犬を中心に男が左、ぼくが右で肩を寄せ合う。男は「これだけ成功したんだから、次は結婚したい」と言う。「誰と?」と、ぼく。それから、ぼくはふと思いついて言う。「そういえば、この犬の飼い主は中学の先生をしている女性だった」。男は「中学の先生かあ・・」と希望に満ちた顔で言う。

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9月3日の夢(大陸進出の宣伝担当)

 楽器店に就職したぼくは社長の訓示を受ける。ちょっとヤクザのような感じのあぶない社長だ。社長はぼくらに「我が社のセールスポイントを言え」と言う。差された新入社員の若い男はへどもどして、答えられない。彼がぼくにメニューのような紙を渡してくれた。それをカンニングペーパーにして、答えようとするが、書かれている文字はぼくには読めない。しかし、社長たちはぼくを気に入ってくれたようで、ぼくは国家の大陸進出の宣伝担当を任されることになる。

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9月1日の夢(ラッパの売り方)

 会社の業績評価会議を傍聴する。主婦パート二人が、自分たちは人気詩人のN氏より売り上げも作品の評価度も高いと主張する。
 この会社が製造しているのはラッパで、彼女たちはそれをお店に卸すルート販売員だ。しかし、ノルマがないため、みんなマイペースで平均売り上げは一人月3万くらいしかない。これではどうしようもない。コピーライターであるぼくは、彼女たちのための販売マニュアルを書くことになる。
 彼女たちの中で、月一千万以上の売り上げがあるという二人を招いて、ぼくは話を聞く。しかし、それはたまたま関連した金融商品が売れたためらしい。これではマニュアルが書けるかどうかわからないと、頭を抱えていると、無能な上司のSが来て、「きみは週一回の出社だから、売り上げがなくても平気な顔をしているが、これからはきみも売り上げを出さないとね」と威張る。

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8月30日の夢(嵐の色のピアノ)

 会社で残業している。窓から外を見る。すっかり夜だ。窓のところには一枚の布がふうわりと落ちている。白から黄、黄から黒へとグラデーションがかかった布はとても美しい。そして布の端の黒はそのまま夜の闇へとつながっているかのようだ。
 思わずそう口にしようとすると、隣に立っていた女性がまるでぼくの心を察したかのように「美しいね」と呟く。二人でしばらくうっとりと外を眺めた後、ぼくは彼女に「もう帰る?」と声をかけるが、彼女は無言のままだ。ぼくは「これからはきみの・・・」と言いかけるが、胸がつまって言葉にならない。
 部屋の中では別の女性が友人と共にピアノを弾こうとしている。部屋にはグランドとアップライトの二台のピアノが置かれているのに、彼女が向かっているのはアップライトで、しかも電子ピアノだ。ぼくも彼女の真似をして、ピアノの蓋をあけるが、なぜか蓋の下に鍵盤は現れず、釘のいっぱい打たれた板が現れる。しかたなく、ぼくはピアノを弾くのをあきらめる。女性は「こういう嵐の色のピアノは珍しいのよ」と言う。「嵐の色」ってどんな色だろう。ぼくは右手の壁にかかった絵を指差し、「こういう色?」と尋ねる。彼女は「そうよ。私知っているの。だって、このピアノを売っていたんだもの」と言って、ピアノを弾き出す。いつのまにか、彼女は最初に窓のそばにいた女性に変わっている。

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8月26日の夢(完全に仕事を辞める日)

 さあ、今日は完全に仕事を辞める日だ。会社で整理のため、箱の中身を床にぶちまける。大量に出てきたのは目玉クリップだ。同僚が目歩丸くして、「何、それ?」と言う。ぼくは「これはぼくのところに届けられた資料の束をとめていたクリップさ。それをもとに、ぼくは沢山のマニュアルを書いたんだ」と答える。
 クリップを拾い集めるのもそこそこに、ぼくは階下に降りて、自分のデスクの整理をする。デスクは脚がふにゃふにゃになっていて、もう満足に立っていることができない。でも、ピアノを買いたいというお客がやってきた。ぼくはデスクの上に物差しを置いて、その物差しを鍵盤に見立て、ピアノを弾く真似をしてみせる。当然、うまくは弾けない。「音の出ない状態で弾くのは難しいね」と、ぼくは苦笑してごまかす。
 そろそろピアノを教える先生と生徒がやってくる頃だ。玄関が開き、先生が顔を出す。都はるみさんだ。しかし、生徒の方は遅れているらしい。その間にぼくはラジオを組み立てなければいけない。知ったかぶりで一人で組み立て始めたのはいいが、うまく配線がつながらない。

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8月23日の夢(トイレの幽霊)

 妻と地方へ旅行する。地元の資産家一家と仲良くなり、その自宅に逗留する。その娘は既に結婚しているが、夫と一緒にこの実家に暮らしている。ぼくは彼女に話しかけてみるが、つんと澄ましていて、とりつくしまもない。
 テレビをつける。拉致対策の政府チームと、一般の人たちで意識に温度差があることがテーマの番組だ。ある事件のストーリーが語られ、その犯人を許したいと思うかどうか。許したい人は左へ、許さない人は右に出て、意思を示す。拉致対策チームの人々はほとんどが「許す」意思表示をするが。学生チームと居酒屋チームはどちらも「許さない」が大半で、正反対の結果が出る。
 そのテレビで災害のため、列車が不通であると報道される。これでは帰れないかもしれないが、帰宅準備のためトイレに行く。さすがに大きな邸宅で、途中で必ず廊下を逆方向に曲がってしまい、道に迷うが、なんとかトイレにたどりつく。だが、トイレの前には幽霊が座っていて、ちょっと怖いが、ぼくは幽霊を迂回して、なんとか用を足す。
 テレビでもう一度、鉄道の様子を確かめる。まだ復旧していないようだが、若夫婦たちと一緒に、娘の方の運転でぼくらは出発する。途中、ガソリンスタンドに寄る。スタンドのチーフが「なになに組の若奥様だよ」と店員たちに叫ぶ。一家はこの地方で有名な土建屋らしい。「オーライオーライ」と車が誘導されるスタンドは、芝生の生えた広大な丘全体を広々と占めている。なんて大きなガソリンスタンドだ!

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8月20日の夢(難民)

 夜、なじみの店で食事をしようと思って出かけるが、いつのまにか模様替えされている。店主の周りをぐるりと楕円形にカウンターがとりまいているのだ。これでは一人で落ち着いて食事ができないので、別の店に行く。その店で食事をし、買い物もするが、いざ帰ろうとすると伝票がない。伝票がないのは、覚えていないものの先に支払いをすませたからだろうと勝手に解釈して、店を出る。しかし、なんとなく居心地が悪い。
 外は嵐になっている。港に続々と船が避難してきて、乗客たちは難民になる。ぼくもいつのまにかその一人になって、施設に収容される。施設の中で封筒に入った見舞金が配られるが、同室の老人がさっとぼくの見舞金をかすめとる。しかし、ぼくの目がそれを見逃さなかったのに気づき、黙ってテーブルに戻した。ぼくは何も言わないが、それを目撃した女性が施設の管理者に告げ口したようだ。
 ぼくは携帯を使って、ぼくのカウンセラーと何度も会話する。外出中にも着信があったので、施設に戻ってから出てみると、親戚のおばさんからだった。行方不明になっていたぼくと連絡がとれたことで、彼女はとても喜んでいる。電話の向こうではもうパーティーまで始まっている。

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8月19日の夢(夜祭)

 今日は夜祭だ。夜、D社へ寄ろうとすると、女子社員のKさんが社長に黙って、夜祭の神輿をかつぎに行ってしまったという。それで、出社をあきらめ、燈火の美しい夜の街路に座り、人々と共に祭の行列を待つことにする。
 いつのまにか、そこは街路ではなく、地下の細いトンネルになっている。そこに、ぼくたち編集者は一列に並んで座り、目の前に自分の雑誌を置いている。売れ行きのいい順に並んでいるのだ。ぼくより少し前に同僚のIさんも座っている。後ろの方から若い女性がやってきて、自分の作った商品を雑誌に紹介してほしいと、頼んで歩いている。Iさんは承知したようだ。ぼくも担当している雑誌2冊のうち、一冊は無理だが、もう一冊に紹介してあげようと言う。
 クライアントと打ち合わせのため、その男の会社へ行く。初老で小太りの外国人だ。会社はとても規模が大きく、農村の一つの村がそのまま一つの部門になっている。田畑の真中の十字路に受付があり、道端に荷物を置いて、男はすたすたと村の中へ入っていく。慌てて後を追うが見失ってしまった。村の奥で、男が別の男と話をしているのを見つけ、駆け寄る。だが、ぼくは名刺を持っていないことに気づく。笑顔で男に近づき、「ぼくのことを紹介してください。うっかり名刺を切らしているのですが」と言う。だが、男は怪訝な顔をして、「人違いでしょ。私はあなたを知らない」と言う。よく見ると、確かに外国人ではあるが、さっきの男よりかなり若い。ぼくは人違いを誤り、慌てて村を入口に向けて戻りながら、さっきの男を探すが、どうしても見つからない。

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8月18日の夢(岡山取材)

 出張取材が終わり、帰途につく。新幹線で帰らなくてはならないが、その駅までもう一つローカルな鉄道に乗らなくてはいけない。二つの鉄道の駅があり、まず遠い方の駅に行く。どこにもそれらしい告知は出ていないが、一つ電車が行ってしまったあと、どうも事故があったらしく、ホームに乗客があふれている。
 あきらめて、近い方の駅に行き、路線図を見上げるが、見知った駅名が一つもない。この鉄道では帰れそうもないと納得し、遠い駅に戻ろうとして、「一色さん」と声をかけられた。もう忘れてしまっていたが、先ほどまでぼくがインタビューしていたらしい男女の二人連れが声をかけたのだった。有名大学の先生たちらしい。
 二人とともに、遠い方に駅に戻る。あいかわらず乗客があふれているが、列車の手配がつかないらしく、プラスチック製のおもちゃの列車がホームにすべりこんできた。それでも乗りたいと、各車両に一つずつのビニール袋に乗客が一人ずつ入り、蓋をあけておもちゃの車両に、他の乗客に押し込んでもらっている。しかし、走り出したとたん、みんな列車から振り落とされてしまう。それをまた拾って押しこみ、なんとか出発させる。
 ようやく列車が到着し、乗り込む。窓から沿線に温泉ホテルの美しいビルが建っているが、なんとビルは壁1枚で奥行きがない。やがて新幹線の駅が見えてきた。それまで、ぼくはここは福岡だと思っていたが、ここは岡山だったのにびっくりする。
 駅前に別の大学があり、二人の先生たちはそこにぼくを招く。ぼくも張り切って、自ら持参した実験道具や資料など3種類のものを持って、若い男性教授のデスクの前に座る。インタビューしていると、部屋の向こう側で女性教授がマリオネットのように、糸で全身の関節を吊り、横に転倒するような面白い実験をして見せる。
 ぼくも実験してみないかと言われ、言われるがままに、部屋の奥の水の薄く張られたスペースに滑り込むスピードを試す。上着を脱いで何度も試すが、とんどんタイムが遅くなるので、ぼくもみんなもがっかりしてしまう。

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