息子の発見

こんなに笑った詩は久しぶりだった。朗読したらどんなになっちゃうんだろうか??聞いてみたい。ことばを発見していく息子の-ingの様子を書くなんて、とても難しいと思う。それをさらさらっと書いてるのにびっくりした。詩誌『アフリカ』10月号から。
   息子の発見        犬飼愛生
 げろげろー、ぴょーん!ろま、ぺろぺろはっはっは
 しゅうちゃんくっきー、ばいばいできた!
 ゆーちゅーぶ、でんしゃ みる もっと ぴっぴ
 うーえー じじじー
 ぶーぶ、ちゃりんちゃりん
 はいどーぞ、にゃおーにゃおーってたー
 とぅ! ぷっちちゅー
 ごーかいじゃー しゃっしゃ
 ことばが しらたきかところてんみたいに
 つるつるとでてきて
 こっちは
 捕まえるのがたいへん
 おかあさん、ぐぅー とぅるー
 ぺんー
 だいじーっ
 ぴーと
 ちゅるちゅる へい!
 ちかう! ぶーじーじゅー
 
 庭のシャワーヘッド付きホースを見て
 
   「キリン!」
 洗濯時のタコ足ハンガーを見て
   「はなびー!」
 お茶をひっくり返して
   「あめー!」
 さつまいもチップスを腰のあたりに持ってきて
   「じゃじゃーん  ギター」
 リモコンを耳にあて
   「もしもし?」
 ことばの獲得と発見を繰り返す 息子
     を
 発見している わたし
 すごい巨大なゼリーのプールが
 あるとするでしょ
 そういう
 ことばのプールに
 ざぶん ざぶん
 入ってる感じです
 ゼリー越しに見る息子は
 ぶよぶよしたことばのゼラチンの上で
 笑いながら
 ジャンプしたり
 転んだりしている
 
 ちくた!
 ぱてぱて
 あくく
 とことこ
 てんてんてしゃ
 ど、ど、どぅーー!
 かんかんせん、いちばん、すきー
 
 発見、発見、発見だねえ、
 けーーん、けーん
 ねー!

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