動作

 昨日からどうしても気になる詩があって、有名だけどタイトル忘れ詩人の名前も忘れ、内容だけ覚えているという雲をつかむような?話だけど、今やっと巡り会えた。ほっと安心!!!宇宙的広がりを持つすばらしい詩だと思う。すばらしい詩に出会うと私はどうも落ち着きをなくしてしまう。もちろん一時的。でも幸せ!!!!!
    動作   ジュール・シュペルヴィエール
 ひょいと後ろを向いたあの馬は
 かってまだ誰も見たことのないものを見た
 次いで彼はユウカリの木陰で
 また牧草(くさ)を食い続けた
 馬がその時見たものは
 人間でも樹木でもなかった
 それはまた牡馬でもなかった
 と言ってまた 木の葉を動かしていた
 風の形見でもなかった
 それは彼より二万世紀も以前
 丁度この時刻に 他のある馬が
 急に後ろを向いた時
 見たそのものだった
 それは 地球が 腕もとれ 脚もとれ 頭もとれてしまった
 彫刻の遺骸となり果てる時まで経っても
 人間も 馬も 魚も 鳥も 虫も 誰も
 二度とふたたび見ることの出来ないものだった

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