「イタリック体の都市に住む秘密の言葉」金遠倞キムウォンギョン 韓成禮訳

イタリック体の都市に住む秘密の言葉  金遠倞 1980生まれ (世界を新しくする詩5)
 雪の降るイタリック体の都市を点字で歩いて見なよ
暑い水脈の指紋が空中で沸騰している それなら指も旋
風を巻き起こしながら沸騰しているだろう、踊っている
だろう 君のために青い血管を開いて古い初潮を取り出
すつもりだ 絹糸のようにきれいな葉が耳を開いてひら
ひらするだろう
 膨れるゴムのボールのような心臓に血が入って来れば、
うずくまっていた指先に最初の発声が落ちるだろう 秘
密の言葉は惜しんできた息をてっぺんに呼吸し、いっぺ
んに消えてしまい、指は消えつつ少しずつ月の子宮を記
録しているだろう
 ここは光の世界を否定するいくつかの影たちが言語の
前の時間を押し出す所だ 私の小さな引き出しよ いく
つか耳を切って光が吐き出した沈黙をよく噛んで食べて
ごらん 歩くほど指の関節は外から暗くなるだろう 私
は秒針のような指で世界の風向計を少しずつ回していよう
  

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