「夕暮れの印象」李秀庭イ・スジョン  韓成禮訳

夕暮れの印象   李秀庭 1974生まれ    (世界を新しくする詩4)
鍵盤一つを
ダーンと
打ち下ろす。
張り詰めて震える絃、
「ファ」の音階を飛び超えた
馬たちが、
一万頭ほど
手綱を切った馬たちが
走る。野原がいっぱいに
青いたてがみに覆われて
野原の果てまで駆けて行った馬たちが
塩辛い水の揺れる海の中に
跳びこむ。海に入った馬たちが
積みあがり積みあがり
黒い水嵩を成したまま
揺れながら横になる。
あなたと私の仲
瀑々とした水平線に
赤い鍵盤を広げた
夕焼けがかかり、
馬の鳴き声で深くなる
闇が来る。

カテゴリー: something blue パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。