イタリック体の都市に住む秘密の言葉 金遠倞 1980生まれ (世界を新しくする詩5)
雪の降るイタリック体の都市を点字で歩いて見なよ
暑い水脈の指紋が空中で沸騰している それなら指も旋
風を巻き起こしながら沸騰しているだろう、踊っている
だろう 君のために青い血管を開いて古い初潮を取り出
すつもりだ 絹糸のようにきれいな葉が耳を開いてひら
ひらするだろう
膨れるゴムのボールのような心臓に血が入って来れば、
うずくまっていた指先に最初の発声が落ちるだろう 秘
密の言葉は惜しんできた息をてっぺんに呼吸し、いっぺ
んに消えてしまい、指は消えつつ少しずつ月の子宮を記
録しているだろう
ここは光の世界を否定するいくつかの影たちが言語の
前の時間を押し出す所だ 私の小さな引き出しよ いく
つか耳を切って光が吐き出した沈黙をよく噛んで食べて
ごらん 歩くほど指の関節は外から暗くなるだろう 私
は秒針のような指で世界の風向計を少しずつ回していよう
-
最近の投稿
カテゴリー
最近のコメント
- 北川朱美「電話ボックスに降る雨」アリスの電話ボックス に かのうかずみ より
- 北川朱美「電話ボックスに降る雨」アリスの電話ボックス に かのうかずみ より
- 池谷敦子「夜明けのサヨナラ」一回限り に ゴチマロ より
- ヘルムート・ラック に 横井琢哉 より
- 西脇順三郎「太陽」びっくりするほど好きな詩 に hide より
アーカイブ
- 2016年4月
- 2015年11月
- 2015年5月
- 2014年10月
- 2014年4月
- 2013年10月
- 2013年4月
- 2012年11月
- 2012年10月
- 2012年5月
- 2011年12月
- 2011年11月
- 2011年9月
- 2011年8月
- 2011年4月
- 2011年3月
- 2011年1月
- 2010年12月
- 2010年10月
- 2010年9月
- 2010年8月
- 2010年7月
- 2010年6月
- 2010年5月
- 2010年4月
- 2009年9月
- 2009年8月
- 2009年7月
- 2009年6月
- 2009年5月
- 2009年4月
- 2009年3月
- 2008年9月
- 2008年6月
- 2008年4月
- 2008年3月
- 2008年2月
- 2007年10月
- 2007年9月
- 2007年6月
- 2007年5月
- 2007年4月
- 2007年2月
- 2006年10月
- 2006年9月
- 2006年8月
- 2006年7月
- 2006年6月
- 2006年5月
- 2006年4月
- 2006年3月
- 2005年12月
- 2005年10月
- 2005年9月
- 2005年8月
- 2005年7月
- 2005年1月