懸念される「台峯緑地」(1)

昨日の日曜日、気温は高いものの爽やかな晴天、月例の「台峯歩き」に参加した。
ここが残されることは朗報だが、思ったとおりいろいろな問題が起こってきたようだ。
今、市は「基本構想案」を出してきて、それを市民、市民団体、業者とで協議しているところだが、その様子を聞いていると、懸念事項があれこれ出てきたように私には思われた。
その中の2つを挙げてみたい。
1つは、市が緑地として指定したからにはそれを整備、管理、公開しなければならないから仕方ないにしても、出入り口には駐車場や整備・管理棟、又内部にはベンチや標識などいろいろが設置されるわけだが、なんと言っても小さな池(周りの崖からの絞り水で成り立つ)とそれに続く湿地帯とせせらぎ、それを囲む尾根筋だけの狭い中に、それらが設置されるだけでもこの微妙な地勢の中には負担であるような気がする。これまで出入り口は、自動車道路から直ぐだが、駐車場がないので徒歩でしかここには入って来れない。又バス停や電車の駅などからは離れているので、この地味な自然をわざわざ見に来るのは、主としてよほどここに興味と関心がある酔狂な人、すなわちこの会を立ち上げた人たちのような人とか近隣の人だけだったのである。しかし駐車場が出来れば、車でくれば直ぐ緑地に入れる。
残された貴重な緑地というだけでやってきて、ああそうかとサッと眺めて、サッと帰って行く人たちも来れるのである。しかしここには観光の目玉になるような面白い見ものはないのだ(実はそうではないが、それは後に言います)。それでも彼らはやってくるだろう。
2つ目は、1とも関連するが、ここと尾根続きに隣接する「中央公園」との関係である。
公園の一部として組み込むのが行政としては一番やり易い。しかしそれではまったく残す意味はなく、市民団体としては決して同意できないことだろう。それは説得できるとしても、今切実な問題は、その公園とつなぐ道路の設置場所であるという。
市と業者の案としては、今でも険阻ながら尾根を越えて公園へ辿る隠れた細道があり、それを拡幅整備して正式な通路としたいとのこと。しかしそれはここの心臓部にあたる池のど真ん中に降りてくることになる。体験学習も出来る相当に広い、しかし整備された公園から、ちょっと足を伸ばせば直ぐここに入ってこれることになる。それはどういうことを意味するか。
大勢の人が簡単に入ってこれるということだけでなく、そういう人たちの侵入が、「歩く会」の人たちも踏み込まない(案内の人が決して踏み込ませない)、それほどその周辺には気を使っているその場所に、大きな影響を与えることは確実だからである。そうするとこちら側に渡る橋も架かるだろう。
実はここはもう少しすると、ホタルが見られる。平家ホタルと源氏ホタル、2回にわたって発生するのである。去年は台風などがやってきたため少なかったが、例年ならたくさん身の回りに飛ぶのだそうだ。(私はまだ見ていない、今年こそ見ようと思っているのだが・・・)。八幡宮でも見られるがあちらはよそから連れてくるが、ここは自然発生・・・という。
又ここではカワセミも見られる。ということなどが知られるようになったら、そして池に下りる道路が整備されたら、そしてまた車で簡単にここに来れて、緑地に入れるようになったら、橋や岸からそれらを狙ってカメラの放列が・・・・とイメージさせられると、ボランティアの幹部の一人が呟いた。
今でもここの出口(反対からだと入り口)から中央公園には行かれるのである。ただ宅地造成された住宅地を大きく迂回しなければならない。少々遠いのである。しかし今でも、坂道だが昔からの道が残っている。そこにしてくれと言っているところだそうだ。それだと緑地の端っこだから影響は少ない。そうなることを祈るほかない。
ここに入ろうとしていたとき、私たちの後から団体がやってきた。100人ほどもいるだろうか、コンニチワと言いながら傍を通り過ぎていく。これまで出合ったこともない(私だけではないだろう。グループにもこれまで会ったことがなかった)大勢の団体に、唖然としながらも、自分たちも同じく立ち入っているのだから非難は出来ないので、ニコヤカに挨拶を返しながら見送ったのであったが。今でも、もうこうである。
この会は、池のある谷戸に入る前に、帽子は取って、(入らせてもらいますと)お辞儀をして、入ることになっている。しかしそういう習慣、礼儀もまもなく旧習となっていくことだろう。

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