朝顔と蟷螂

今日はやっと曇り空になり残暑が和らいだ。昨日は大阪など36度を越える記録的に遅い残暑だという事だったが。
団十郎の朝顔も、咲き急ごうとしたのか14輪も咲きそろった。たった二本の蔓からだが。今年最高の花数である。
実は昨夕、その蔓上にカマキリがいるのを発見。青蛙のいた少し上である。お腹がはちきれんばかりに膨らんでいる。これも葉っぱと全く同じ色で、動かなければ見逃すところだった。ちょっと脅かしてみると鎌を振り上げ、三角形の顔をむける。そのままにしていたのだが、今朝雨戸を開けたとき、そこにまだいたのである。最初は彼女の姿は眼に入らず、おかしなものが蔓についているのが先ず眼についた。親指の第一関節までぐらいの大きさの、繭でくるまれたようなもの、その少し下には昨日のカマキリがまだいた。もちろんお腹はスマートになっていた。そして、これも青くて小さいバッタのようなものを腕に抱え、むしゃむしゃと頭から食べているではないか。いかにも無事産卵を終えて、お腹が空いたとでもいう風に・・・。またちょっと、ちょっかいを掛けて見ると、三角の顔を振り向けてまさに睨む感じ。餌はしっかと掴んで離さない。そのままにしていて、次に見たときはもう食事は完了。ご本人はまだそのままであった。よほどこの朝顔の館は、小さな生き物たちには快適のようである。
この小さな庭はあまり手入れをしないので草類がはびこり、まさに秋の野の風情、今は秋海棠、ホトトギス、水引草、藪蘭、蓼類などがそれぞれ花をつけて色を添えている。それらを見下ろす朝顔の棚は高台のようなものかもしれない。
これを書くころ、もうカマキリの姿は無かった。彼女の生みつけた卵だけがある。運がよければそこからすでにカマキリの姿をした糸くずのように小さなものたちが、沢山生まれてくるのが目撃できるだろう。

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