ホトトギスとウグイスとムクドリ

先日26日のTVの『毎日モーツアルト』で、モーツアルトがムクドリを飼っていたことを知った。父の反対を押し切って結婚した後、その許しを得たいと初めて新婦コンスタンツエを連れて里帰りをしたその留守中、長男を無くして悲嘆にくれるが、その悲しみを癒そうとして飼いはじめたらしい。ところが嬉しいことにコンスタンツエが2度目の妊娠をしていることを知り、その喜びの気持ちを表現したのが「ピアノ協奏曲 第17番 ト長調」であると言う。それは生命感のあふれる曲となり、3楽章のはじめにムクドリの囀りを表した部分があるというので、興味津々で聴き入った。
確かに鳥の鳴き声を模した、弾むような旋律がある。しかし日本のムクドリはそんな鳴き声なのかなあと、思うのだった。実を言えば、差別するようだが姿も色もあまり綺麗ではなく、ムクムク ボサボサした印象で、鳴き声だってしゃがれていたような気がする。どなたかご存知だったら教えてください。だからムクドリを飼いたいと言う気にはならないのである。モーツアルトも綺麗な鳥というふうには言っていないようで、おどけたお喋り、時にはふざけたいたずら者・・・憎めないやつ、いとしの道化、などというのだからやはりあまり綺麗ではなかったのだろう。しかし曲で表現された囀りの旋律は活き活きとして心が明るくなる。それは鳥の声そのものではなく彼のピアノの作曲に拠るものなのだろうか。
ところで今この辺りではしきりにホトトギスが鳴いている。昔から夏を代表する典型的な鳥で、その鳴き声も特徴のある馴染みのものだが、なぜか今年はその鳴き声が目立つような気がする。ウグイスもこの辺ではずっと夏まで鳴き続けるのだが、反対にその声があまりしない感じなのである。なぜだろうとふっと思う。ホトトギスはウグイスに託卵する。とすると、もしかしてウグイスの卵の方が少なくなってホトトギスのほうが増えすぎたのでは・・・など、要らぬ心配をしたりする。

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