モンゴルの馬頭琴を聴く

さわやかな秋の一日となった今日(日中は少し暑くなりましたが)、モンゴルの草原の空気を味わいに行ってきました。「子どものためのコンサート」とありましたが、それは子どもへのサービスがあるからで、内容はレベルの 高いものでした。演奏者は馬頭琴第一人者のチ・ボラグさんとその息子さんのチ・ブルグットさん、ピアノは西村和彦さん、パーカッションの人、最初の童話「スーホーの白い馬」の朗読(民芸の稲垣隆志さん、子どもへの導入部だと思いますが、これもよかった)も含めて独奏と合奏、2時間たっぷり楽しませられました。
途中20分の休憩時に、馬頭琴に触り弾くこともできる体験コーナーもあり、民族服姿のお姉さんが手をとって教えてくれます。子どもたちに混じり、勇を奮って私もちょっと弾かせてもらいました。音はちゃんと出ます。でもこの楽器はとても力が要るのだそうです。一曲終わるごとに汗を拭いているほどでしたから。
馬頭琴は草原のチェロと言われるそうですが、繊細さと野太さの両方を持っているような、l日本の尺八、馬子唄や木こりの唄といった朗々とした民謡にもどこか通じるような、やはり東洋的な音調があり、それが広々とした草原と青い空にどこまでも広がっていくような感じがしました。
チェロの名曲カザルスの「鳥の歌」も、レパートリーにはありました。「万馬のとどろき」の、何万頭もの馬が疾走する様子を描いた勇壮で華麗な演奏は圧巻でした。アンコールの曲は優しく艶めかしく、弾く方もうっとりと弓を動かしている感じにさえ思えました。
心の中を草原の秋風が吹き抜けた一日でした。

カテゴリー: 北窓だより パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です