北窓より(3)

中国の唐時代の詩人白居易の詩に「北窓の三友」があると、菅原道真が『菅家後集』に書いており、その詩を読んで、彼も同じく漢詩を作っています。もちろん大宰府に流されてからのものです。
白居易が北窓、すなわち書斎における三友を 、、、としているのに倣って作ったものですが、琴と酒は「交情浅し」、すなわち友とするほどの交わりはない。当然流謫の身であればそれらは叶えられなかったわけですが、それにかこつけて友人や息子たちとの別れなど悲しみをいろいろ述べた後、自分に残った友はただ詩のみであるとし、琴や酒の代わりは、軒端に来る「紫燕の雛」、「黄雀の児」位のものだと観じるのです。
悲劇の学者であり政治家でもあり、文筆にすぐれた天才でもあった人を引き合いに出すのは気が引けますが、「北窓」について調べていたら判ったので、気分だけでも壮大であったほうがいいだろうと、それにあやかる事にしました。
凡才で、最初から流謫 のような身の私ですが、詩のようなものを友としているわけですし、また西洋の琴、ピアノを片言めいた弾き方ですが独り楽しんでいますし、酒は大好きで毎晩のようにワインか缶ビールを少しばかり飲んでいるので、道真よりも境遇としては恵まれているといってよいでしょう。
そんなわけで、このブログのカテゴリーを「北窓だより」としたのでした。
 

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