11月5日の夢(はぐれる)

 秋晴れの空の下を女友達と二人で歩いている。ぼくは自分の肩あたりまであるキャスター付きの大きなスーツケース。女友達は軽くて小さなバッグを持っている。左に曲がるとエスカレーターがあり、乗るには改札を通らなければいけない。ぼくはパスモをかざそうとするが、そうではなかった。左の壁にコインロッカーのような、大小たくさんの四角い凹みがあり、そこに荷物を押し込んで扉を閉め、消毒してもらうのだ。女友達は簡単にパスして、先に行ってしまった。だが、ぼくの荷物は巨大で重い。なんとか持ち上げて、中に入れ、扉を閉めるが、少し隙間が空いてしまう。そこからシューッと噴霧器のように、白い消毒液が空にまき散らされる。思わず目をそむける。消毒が終わったところで、スーツケースを取り出し、女友達の後を追う。岡の上の広い道路に出る。うららかな秋空の下を車がスピードを上げて行きかっている。しかし、女友達の姿はない。ふと見ると、スーツケースの一部が点滅している。何かのボタンらしい。押すと、女友達の声が聞こえてくる。彼女の声は不機嫌そうだ。一瞬、留守番電話の声かと思ったが、そうではなく生声である。ぼくは彼女が「どこにいるのか」と聞き出そうとするが、ぼくの声は彼女に聞こえていないのかもしれない。

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11月3日の夢(母校へ進軍)

 5、6人の仲間たちと名古屋にある母校の東海高校に向けて進軍している。そこに敵が立てこもっているからだ。しかし、名古屋の中心街は賑やかで、戦争を連想させるものなど一つもない。
 ぼくは東海高校はこの広い通りに面してあると思っていたが、それは思い違いで、ここから右手の奥に入った市街にあるようだ。ぼくの合図でみんな右手に向かうが、そこには道路はなく、川に行く手を阻まれてしまう。後ろにいた男が手を振って、左へ戻ろうとする。だが、先頭を行く男が「いや、川で濡れた方が相手に恐怖を与えられる」と言い、ぼくらは川に向かう。男に続いて、水面に降りようとするが、青い水面までは垂直の崖になっていて、とても降りられそうにない。漁師たちが軽々と水面に降りていくのを見ながら、ぼくは途方に暮れる。
 同じ仲間たちと電車に乗る。男たちの乗った左の車両は満員だ。だが、ぼくと女友達の乗った右の車両はがらがらで、ぼくらはゆったりとベンチ式のシートに座ることができた。
 ぼくはトイレに行きたくなり、一人で電車を降り、駅裏の迷宮のような裏町に入っていく。迷宮は海の底の竜宮のような怪しい極彩色の世界で、おばあさんが一人店番をしている。その一角に小さな鍾乳洞のような窪みがあり、男性用の便器が一つだけある。そこで用を足そうかと思うが、思い直してさらに奥へ進む。
 ちょうど入った店に便器があった。だが、ここは夢の中だ。ここでしてはいけない、と思う。目を覚まして、外へ出なくては。ぼくは店から外へ出る。いや、これもまだ夢の中だ。ぼくは地面に自分の体を打ち付け、転がり廻りながらなんとか目を覚まそうと七転八倒する。

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11月1日の夢(インドネシア様式のホール)

 女友達と二人で大きなホテルに滞在することになる。ホテルには「インドネシア様式」の広い板の間の部屋がある。ぼくらはまずこの部屋を掃除しなくてはいけない。インドネシアから古い建物を移築したのだろう。床も壁もすっかり古びていて、薄汚れていて暗い。
 まず照明のスイッチを探すが、見つからない。そこにいた男性に尋ねてみるが、振り返ると既に明かりはついていた。掃除機をかけたいと思うが、あるのは昔ながらの箒だけだ。それも二つあると思ったのに、一つは箒ではなかった。ぼくは一つだけの箒を持って、床を掃き始める。
 足がむずがゆいので、ふと見ると、足の指と指の間に楕円形の虫がはさまっている。この虫はこうやって、人の血を吸う吸血虫だ。ぼくは虫たちを一つ一つ箒で叩き潰しながら歩く。そんな中を子供たちが元気に遊んでいるが、ぼくは彼らの足元の虫をやっつけるのに夢中である。
 部屋の中に得意そうな笑みをたたえた、顔に皺の多い男性が立っている。彼は「ぼくは今、宇宙飛行士になって、一日千五百万の収入を彼女のところに送っているんだ」と自慢する。だけど、そのために宇宙でいつ命を失うかもしれない。それが代償なのだ、と思う。
 このインドネシア様式のホールを何時になったら、閉館すればいいのだろう? 一人の男性がぼくの掃除を手伝いもしないで、立ったままぼくをじっと見ている。彼はぼくがインドネシアから来たと思って、いろいろと質問してくる。

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10月31日の夢(ラジオ英語講座)

 倉庫街を急ぎ足で歩きながら、ぼくは携帯ラジオで英語講座を聴いている。男性講師が何か問いかけ、ぼくはそれに「サウザンド」と答える。するとまた、男女の講師がラジオからぼくに何事か二言、三言応答する。たった一人の生徒であるぼくのために、彼らはラジオの向こうで懸命に英会話を教えようとしているのだ。でも、こんなこと面倒くさいじゃないか。目指す倉庫にたどり着いた瞬間、ぼくは冷たくラジオのスイッチを切る。

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10月30日の夢(週明け出勤)

 月曜の朝に出社する。ぼくが一番の出社で、まだ誰も来ていない。誰か、日曜に休日出勤した者がいるのだろう。それぞれのデスクに伝言メモが置いてある。ぼくのところにも隣のA氏のところにも、校正ミスなどを指摘するメモがある。ぼくは自分宛てのメモを急いで隠す。そして、デスクの中にあった書類や私物をいったん全部外に出す。足の踏み場もなくなる。それを跨ぎ越すようにして、隣のデスクにA氏が出社する。さらにその隣の女性社員も「ちょっと通してね」と言いながら、デスクにつく。みんな自分のミスを指摘するメモのことで大騒ぎになる。やがて社員たちは「課長! 気になるから、ずっと立っているのはやめてください!」と言い出す。デスクの列の右に課長のデスクがあって、確かにその横に課長が立って、こちらを見ている。まだ若い男性の課長は、不意をつかれたようで、顔を赤らめ、どぎまぎした様子だ。

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10月29日の夢(ラスベガス)

 女友達がラスベガスでギャンブル・デビューするというので、付き添いで隣の部屋に宿泊する。ぼくは何かと世話を焼きたくてたまらない。手で持てる限りのものを持って、隣室を訪ねると、彼女は喜ぶものの、そのままぼくの傍らを通り過ぎようとする。ぼくは痛み止めの塗り薬のボルタレン・ゲルを取り、「せめてこれだけでも塗ったら?」と言い、彼女はその薬を首に塗り付ける。ぼくは隣室に帰るが、再び彼女が気になって、いろいろなものを手に持ち、隣室のドアを開けかけるが、あまりにも世話を焼き過ぎだと考え直して、部屋に戻る。

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10月27日の夢(精神分析)

 新しくできたばかりの遊園地に行く。そこにある精神分析医のオフィスにぼくは出頭を命じられたからだ。立派な建物の二階にオフィスはあった。男性アシスタントがぼくをベッドに寝かせる。だが、医師を待つ間にふと気が変わり、ぼくはそこから脱走する。
 遊園地の中を疾走する間、空から色あせた桜の花びらの塊が、ばさっばさっと降り注ぐ。ぼくはとても身が軽い。追跡してくるアシスタントの男を振り切って、ぐんぐん疾走する。ある角を曲がって、ぼくはぱっと身を隠す。男は行き過ぎたところで立ち止まり、ぼくを探してあたりをきょろきょろする。「こういうのが一番辛いんだよ」と男は愚痴る。
 だが、ぼくは逃げるのをやめ、再び分析医のオフィスに引き返す。診察室に行く前に用を足そうと、トイレのマークのついた部屋のドアを開ける。だが、そこには洋服に金銀の飾りをつけた立派な身なりの男が二人、奥と右の玉座のように豪華な椅子に座って、執務している。だが、ここはトイレなのだから、二人に構わずぼくは床に放尿しようと思うが、結局あきらめて診察室に向かう。だが、ぼくにはもう男の言うがままに分析を受ける気持ちはさらさらない。
 

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10月26日の夢(笑いのアイコン)

 誰かの個展に出かける。作品として(笑)を表すシンプルなアイコンが展示されていたはずだ。それを写真に撮ろうと探すが見つからない。ぼく自身はそのアイコンをやめて、他のもっと複雑なアイコンにしてしまったが、やはりシンプルなアイコンが一番だ。けれども個展会場中探してもやっぱり見つからない。

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10月22日の夢(解散パーティー)

 ある大きな同人誌のパーティーに行く。会場は隣り合って二室あり、皆は食事の用意された広間で賑やかに団らんしているが、ぼくだけ一人ぽつんと何もない別室に座っている。しかし、どうにも空腹なので、皆のいる方へ入ってみる。テーブルの上にはもう取り皿は一枚もない。ケーキが僅かに残っているのを、紙ナプキンに取ってなんとか食べる。
 パーティーが終わり、外へ出ると、皆が「この会はもう終わる」と言う。メンバーが沢山死んでしまったからだとのこと。皆が立ち去り、ぼく一人だけが呆然と後に残される。

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四つの短い夢

●10月16日の夢
 列車に乗って、Aという駅に行くつもりだったが、うっかりして乗り越してしまう。降りてみると、ここはB駅だ。Aに戻ろうと、ホームの反対側に行くが、Aに戻る線路はないのだった。
●10月17日の夢
 新宿西口からバスに乗る。バスが西口から南口に回ると思っていた同僚は「あれ?」と首を傾げ、別の乗客に「南口元町で降りたいんですが……」と話しかける。ぼくは「西口元町で降りればいいのに……」と思っている。
●10月18日の夢
 ある編集者から原稿依頼を受ける。どこかから「左へ、左へ」という声がしきりに聞こえる。
●10月20日の夢
 楽器店に取材に行く。中年の男が店頭に3人立っている。そのうちの一人がぼくの顔を覚えていて、「後で……します」と言う。それを聞いて、ぼくはすぐに会社に引き返す。
 社内にいるとデザイナーの男性から内線がかかってくる。「○○はどうしたんですか?」と言う。そういえば彼に仕事を依頼していたのに、すっかり忘れていた。仕事の材料を持って、急いで一階の彼のデスクへ向かう。

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