9月16日の夢(針の衣)

 京都の街で舗道に三人の男たちと野宿した。朝、起きてみると、これから海外旅行に行くのに、ぼくの着ていた服がなく、下着姿である。盗まれたのだ。代わりに木の皮で作ったスーツの上下がある。しかたなく身につけようとすると、服には無数の縫い針が刺さっている。束にして抜くが、抜いても抜いても針だらけだ。それを捨てた足元も針山のようになる。
 海外へ行くため、仲間がタクシーを呼び止める。だが、そのタクシーの運転手は以前からそばにいた別のタクシーに乗るようにと勧める。乗り込んだタクシーは白い長方形を三つ縦につないだ形で、その上に腹ばいになって乗るのだ。こんな姿勢で海外まで飛ばされたら、振り落とされないだろうか。だが、幸い、ぼくは運転手の隣の助手席に座らせてもらうことができた。慌てて出て来たので、荷物が揃っているかどうか不安だ。パスポートや保険証はあるだろうか? ぼくは真っ白な立方体の箱の蓋を開けて、中を覗き込む。

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9月5日の夢(鮎ぱー)

 ぼくは二人の女性と三人で共同生活をしている。ぼくは脚立に登って、天井のフックに洗濯ハンガーをかける。何かの拍子にハンガーは墜落しそうになるが、予期していたのでさっと受け止めて事なきを得る。
 三人でじゃんけんをして炊事当番を決めることになる。ぼくと向き合って、右に年下、左に年上の女性がいる。ぼくが「じゃんげんぽん!」と発声し、みんなで一斉に手を突き出すと全員が「ばー」だ。引き分けだと思ったが、年上の女性が「あたしの勝ちだ」と言う。「あたしは手のひらを細かく揺らしていたから、これは鮎の泳ぎを示す鮎ぱー。だから、あたしの勝ちで、あたしが炊事当番をする」。ぼくはそんなインチキを彼女が言って、自分が負けたことに悲しくて涙がこみあげてくるが、「でも炊事当番をしてくれるのだから、まあいいか」と思う。

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9月3日の夢(後ろ向きに走るトラック)

 駅に向かって歩いている。駅はレンガ造りで、アーチ形の入り口がある。その入り口は木製のドアですっかりふさがれている。そこへスリムな男性の運転する軽トラがバックしてきて、車体の後ろがドアに衝突する。ぼくはその車に轢かれないよう、慌てて駅に入る。すると、軽トラもいつのまにか駅の構内に入ってきて、駅の柱を巧みに避けてバックしながら、ぼくから遠ざかっていく。

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9月2日の夢(旅立ち)

 ぼくは取材に行かなくてはいけないのだが、頭が痛くて気分が悪い。一回目の取材には早稲田の詩のサークルの後輩で、後に弁護士になったYくんが電車で同行してくれた。二回目の取材には女友達が付き添ってくれた。
 そして三回目。もう気分は悪くない。ぼくは女友達と旅立とうとして、駅員と向かい合っている。左手カウンター奥に駅員たちの事務室がある。ぼくのいる場所には二つの小さなテーブルがあり、照明の関係で一つは明るく、一つは暗い。ぼくは迷った末、暗い方のテーブルに着席する。そこにはぼくのではないリュックが置かれていて、中には書類が詰まっている。ぼくは駅員に提出するために書類を書く用紙がないかと探す。しかし、リュックから出てくるのは透かしの入った和紙やデザインされた紙ばかりで、ぼくが書類を書く白紙の紙はない。ぼくは駅員に「センスが悪いのばかりだ」と言う。
 女友達が待っているはずの待合室に行くと、彼女の「トイレに行くので荷物を見ていてくださいね」という声が聞こえる。部屋には手前と奥に四角いテーブルがあり、それぞれの両側にベンチがある。どちらもテーブルの上は鞄などの荷物でいっぱい。手前のテーブルには学生たちが座っている。
 二つのテーブルの荷物のうち、どちらかがぼくたちの旅立ちの荷物のはずだ。だが、どちらがそうだろうか? ぼくは分からないままに奥のテーブルの上の荷物を開けようとする。

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8月27日の夢(父に会う)

 ぼくはターンブルという人が描いた絵を見ている。それは映像のための下絵で、水の流れを青い布で表現し、花の赤、白、黄の系統が遺伝的にどう展開していくかを図解したものだ。ターンブル氏を空港に送っていく途中、道路にぼくの父親がぼーっとした表情で立っているのに気づく。あたりは薄暗い。朝なのか、あるいは夕方なのかもしれない。ぼくが「お父ちゃん?!」と半信半疑で呼びかけると、父はぼくに返事をしてくれる。

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8月23日の夢(パリで帽子を失くす)

 雑誌の特集号の取材も兼ねて、みんなでフランスへ行く。空港からパリへ行く途中で、ぼくと妻は一行とはぐれてしまった。しかたなくパリで目についたホテルに入る。レストランで帽子を脱いで食事をした後、部屋の大きな窓から、身を乗り出すようにして外を見ている。一行の誰かが通りかかり、ぼくを見つけてくれないかと思ったからだ。すると、通行人の男がぼくに「〇〇さんですか」と尋ねてくる。知らない人だ。ぼくは「違います」と答える。しばらくして、また声をかけてくれる男がいた。今度はツアーのメンバーの一人だ。だが、ぼくはレストランに帽子を忘れたことを思い出し、取りに戻る。レストランには沢山の帽子が置いてあるが、どれもぼくのものではない。よく似ている帽子があっても、別の人の名前が書いてあるのだ。ぼくは男と妻に「先に行ってください。ぼくは帽子を探すから」と言う。妻は「あなたは××さんといっしょにパリに残ればいいわ。私たちは田舎へ出発します」と言い捨てると、男とさっさと出発してしまう。

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8月22日の夢(またもや浜松出張)

 浜松へ出張する。クライアントからこうるさく注文をされる。タクシーに乗って帰ろうとするが、なかなかつかまらない。
 別の日、また浜松へ出張する。今度は中年の男性二人の就職を依頼するためだ。二人は課題の作文を提出する。採用担当の女性社員(こちらも中年)はその場で二人の採用を決めてくれる。ぼくは同僚たちと喜び合う。駅に向かうため、タクシー乗り場に駐車している二台のタクシーに手を振ると、タクシーの方からこちらへ迎えに来てくれる。今日は何をやっても調子がいい。

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8月14日の夢(すり替え)

 ぼくは美術評論家だ。今日はある優れた展覧会を紹介するコラムを書いている。添付するために出展された作品の一つを写真に撮る。それは八分の一に切り取られたピザの断片のようなもので、うまく切り離せなかった部分が尻尾のようにくっついている。入稿してからはっと気づく。これは入稿直前にすり替えられた偽物の作品だ。この断片は人間生活の醜悪さを象徴するもので、展覧会を否定しようとするものが置いて行ったものだ。だが、もう既に遅い。

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8月9日の夢(上司の多い編集部)

 ぼくはファッション雑誌の編集部にいて、とても忙しい。デスクの上には大型モニター付きのパソコンがあり、そこに見開きページの組版を表示しながら、原稿を書いている。ぼくの上には男性二人、女性一人と三人もの上司がいるので、それぞれの命令を聞くのがとても煩わしい。直属の男性上司は痩せた初老の男だ。ぼくに「コートのことで話がある」と言う。「どのコートの話ですか」と言いながら、ぼくは席を立って、彼の後についていく。けれど、編集部の中は駅の構内のようにごった返していて、彼の姿を見失ってしまい、しかたなく自席に戻る。
 一つ無人のデスクを隔てて、左には新入女性部員が二人いて、女性管理職から回覧板を受け取り会話している。しかし、回覧板はぼくのところには回ってこない。
 女性管理職は今度はぼくの席へやってきて、原稿を書き直すよう注文をつける。原稿段階に戻って書き直すのは面倒なので、デスクトップに表示された見開きの組版からテキストを消して、書き直そうとする。だが、どうしたらこのテキストを消すことができるだろうか? いつのまにかパソコンのモニターは女性管理職の顔になっていて、その顔から原稿を消そうと押したり引いたり四苦八苦するがどうしても消えない。新入社員たちの手前、先輩としての威厳を示したくて、ぼくは焦る。

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8月5日の夢(パンツをなくす)

 避暑地の知人の別荘に居候をしている。自分の一枚しかないパンツが見当たらないことに気づく。ぼくは病気なので、特別仕様のそのパンツなしでは困るのだ。家主のタンスや鏡台の引き出しまで開けて探し回るが、見つからない。だんだんイライラしてくる。外に出ると、道路に出ていた奥さんが「何かなくなったの?」と尋ねてくるので、事情を説明する。
 会社で女友達の作った商品が採用された。だが、その商品にアクセスするには、玄関に置かれた電話機をはじめとする沢山の小型の機械を経由しなくてはならない。これまでの商品に比べて、その列がいやに長い。ぼくは壁との隙間を詰めたりして、少しでも列が短くなるようにする。

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