5月11日の夢(スーツケース)

 老詩人のM氏と中東の国に仕事の旅に出た。ホテルに投宿し、M氏の大きなスーツケースを開けて、書類を取りだし、二人で静かに仕事を始めた。そのとき、ぼくはぼく自身のスーツケースをホテルの外に置き忘れてきたことに気がついた。これはやばい。
 外に出てみると、置いた場所には案の定、スーツケースは影も形もない。けれど、「なくした」という不安感のようなものはない。ホテルのフロントにはアラビア風の白い民族衣装を着た男が座っている。ぼくは落ち着いた声で彼に「Where is my baggage?」と尋ねる。男は「知らない」と答える。
 だが、しばらくするとぼくのスーツケースは自然に見つかった。それを開けて仕事をする。中からは新しいアイデアや仕事につながる資料が次々に出てきて、仕事はどんどんはかどる。

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5月10日の夢(モトカノ)

 会社が模様替えになった。会社は宿泊制で、デスクではなく、一人に一つベッドが割り当てられる。ぼくは今までより奥というか、一番前の方の部屋に配置換えになった。部屋には四つのベッドが固めて置かれ、ここにはぼくを含めて男性四人が寝泊まりする。少し離れて前方右に一つだけベッドがあり、ここを使うのは有名ピアニストのT・Kさんだ。こんな有名ピアニストと同じ部屋になるなんて、すごく嬉しいと思う。
 会社の女性社員(現実にはクライアントの会社の女性社員)がやってきて、「今度、年金のシステムが変わったので、二回行われる講演会のどちらかに出席してください」と言う。日程が詰まっていて、行きたくないと思い、無視していると、またやってきて「どうしても行きなさい」と説得する。自分のスケジュールを書いた手帖を見る。日程はいっぱいだが、モトカノのコンサートに行く予定が一つ入っている。ちょうどそこが講演会の一つと重なっていた。今さら彼女のコンサートに行ってもしかたがないと思い、この時間に年金の講演会に出席することにする。
 その講演会に行く。会場は原宿のラフォーレのような場所だが、行ってみると中は古い和風の建物で、しかも迷路のようで、なかなか会場に行き着けない。やっと探し当てて、入場のために並ぶ。確か「参加する人は椅子を持参のこと」と書いてあった気がするので、ぼくは椅子を持って並んでいるが、他の人は誰も椅子なんか持っていない。会場を覗き込んでみると、畳に座布団敷きで、座椅子がいくつか並んでいる。椅子というのは座椅子のことかもしれない。カッコワルイので、入り口に椅子はそっと置いて、知らん顔をする。講師がやってきた。頭のはげたおっさんで、お笑い芸人のような感じ。年金の講演会ではなく、何かの習い事の教室のようだ。戸惑っていると、ぼくのすぐ後ろにモトカノがやってきて、女友達とおしゃべりしている。こんなところで彼女に会えるのはびっくりだなあと思うが、始まる前に彼女はどこかへ姿を消してしまった。
 ぼくは禿頭の講師をつかまえ、「年金の講演会があるというから来たのに、話が違うじゃないか」と文句を言う。講師は「私はそんな話は聞いていない。だけど、あなたがそう聞いたなら、もしかしたら自分の話が終わった後に担当者からそういう話があるのではないか」と答える。
 もう夜の8時を過ぎてしまった。こんなところですっかり時間の無駄をしてしまった。早く帰宅をしようと外に出る。そこは原宿のはずだが、森の公園で、まるで迷路のようだ。歩いても歩いても駅に出られない。
(夢ここまで)
 「モトカノ」と書いたのは四半世紀以上前の女友達です。何年も夢に出てこなかったので、もうすっかり忘れたと自分では思っていました。ピアニストのT・Kさんは、個人的にはつきあいがありませんが、音大生時代からの仕事上の知人で、ヨーロッパの超有名コンクール入賞の実力者。たまたま寝る前にどのCDを聞こうかとCDの山をひっくり返していたとき、彼女のCDをちらっと見たのが夢に出たようです。実際には別のピアニストのCDを聞きました。

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5月9日の夢(青と白のカード)

 短冊形のカードを使い、誰かにこれから演じる劇の内容を伝えようとして、順番に揃えている。カードには青と白の2種類がある。白いカードは最初から決まっている内容を書いたもので、青いのはぼく独自のアイデアを書き表したものだ。

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5月6日の夢(トイレ食堂)

 トイレに行きたいと思うが、トイレは満員で入れない。トイレの前に社員食堂があり、みんなが昼食を食べている。ぼくはUくんとSさんの間に座る。ここはトイレでもあるので、ここで座ったまま用を足そうと思うが、いくらなんでも大きなものを出せば、隣にいる二人は臭くて、食事ができないだろう。あきらめて席を立つ。
 クライアントの事務所にOさんと一緒に打ち合わせに行く。クライアントは「ピアノの上に新しい取材先を書いたメモがあるから、見なさい」と言う。何枚もカードがあり、これらを全部掲載したらページが足りない。「取材を引き受けたコンサートでも、ピアノ以外の楽器のものはこれを機会に掲載するのをやめよう」と、ぼくはOさんに言う。
 帰るため、港に行って、船に乗る。船といっても、それは水面からわずかに顔を出した桟橋のようなもので、それも片仮名の「ヨ」をもっと複雑にしたような不定形をしている。出航を待つうち、自分が靴をはいていないことに気がつく。どうやらクライアントの事務所に忘れてきたらしい。ぼくの生家のあったあたりの坂のような場所を上り下りして、そこへ戻る。

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5月5日の夢(ゴミの山)

 会社中、誰も掃除をしなくなったので、どこもかしこもゴミの山になっている。その中で、ピアノ関係の印刷物の表紙にミスがあり、ある限りの印刷物の表紙を手書きで訂正していく作業をしている。室内の印刷物の山の処理が終わり、床から天井まで一枚の巨大なガラスで仕切られた壁の向こうの廊下を見る。そこにも沢山の印刷物の山が積み上げられているように見えるが、それはガラスに映った室内の光景かもしれない。確かめようと廊下に出てみる。すると、あると思った印刷物の山はそこにはなく、あるのは果てしのない紙ゴミの山だ。そして、沢山の人々

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5月4日の夢(アニメ「水没都市と少年」)

 ぼくは子どもの頃から時々、アニメ映像になった夢を見ます。皆さんはどうでしょうか?
(夢ここから)
 福井の海で暮らす少年を主人公にしたアニメ映画。少年は海中深く潜っている。「今年はクラゲが大発生をして、少年の邪魔をします」というナレーションが男性の声で入る。少年が浮かび上がろうとする水中画面の背景には、海底に沈んだ都市の廃墟がある。日本沈没のような大惨事があり、都市が丸ごと水没したものらしい。建物の壁にはまるで蔦のように、びっしりとクラゲが張り付いており、少年はそれを引き剥がし引き剥がし、海面に向けて上昇していく。「よし、もう少し」と少年はつぶやくが、今にも息が切れそうではらはらする。ようやく少年の頭上に海面が見えてくる。
 海面に浮かび上がり、少年は水の上に顔を出す。その少年の首の周りに、同心円状に波紋が広がっていく。ここでアニメを描いている作者自身の声が聞こえる。「私は苦しいこともすべて美しく描きたい」。そして、同心円の原画を一枚一枚丁寧に描いていく作業が映し出される。

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4月30日の夢(水中生活者)

(昨日アップしそこなった夢です)
 会社の元社員だったUカメラマンとKライターの二人が今はリタイアして、水中生活者になっている。二人は水中を泳ぎ回って、住所不定の自由な生活をしているが、そんな水中生活者にもちゃんと郵便は届くのだ。手に手に水中マスクを持った二人が今日は陸に上がってきて、ぼくに一通の手紙を指し示す。「この差出人の横田京子というのはあの横田さんか?」とUカメラマンがぼくに尋ねる。ぼくは「横田? 横井ならそうだが、横田なら違うでしょう」と答えるが、かたわらにいた詩壇の重鎮・K氏(Kライターとは別人)が「いや、あの横田さんだよ」と、にべもなく言う。UカメラマンとKライターは水中で生きていても意気軒昂で、ぼくに「一色さんも退社したら水中に入らないか」と誘う。しかし、ぼくは「自分はもっと個性的になりたいので」と、その誘いを断る。そうしている間、ぼくの水で濡れたズボンの裾に火が点き、じりじりと燃え始める。

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4月25日の夢(水売りのおばあさん)

(今日は短い断片しか覚えていません)
 石畳の広場。その真ん中に蛇口のついた水飲み台のようなものがあるが、蛇口が地面と殆ど接した高さに、地面に向けてついているため、誰もそのままでは水を飲んだり、そこから水を容器に汲むことができない。一日に一回、そこに水売りのおばあさんがやってくる。おばあさんはモーターポンプを持っていて、その蛇口からホースで水を吸い上げ、人々のバケツに水を売るのだ。ぼくの祖母もそのおばあさんから水を買って、それで何かの商売をしている。
 ぼくはその水売りのおばあさんから水を買わなくてはならないのがなんとなく釈然としない。ぼくの祖母がおばあさんから水を買おうとするより早く、その場にあった二つのバケツを急いで持って帰る。だが、気づくと、そのバケツの少なくとも一方には水が半分ほどしか入っていない。

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4月24日の夢(女社長)

 知人夫妻が経営する画廊で、週明けの月曜日から賭博場を開くことになり、その準備がすべて整った。もう帰ろうと思い、ダンナの方に「月曜は何時から営業ですか?」と聞くと、「10時からです。その方が事務的に都合がいいんですわ」と言う。賭博場だから、当然夜に営業するものと思っていたので、意外だった。
 早く家に帰りたいのに、なぜか女社長がぼくを外に連れ出した。もう夜で、細かい雨が降っていて、少し肌寒い。そういえばコートを画廊に忘れてきてしまった。これではそのまま直帰できないなと思う。女社長はぼくに「フランスへ留学するお客さんに本を書いてもらいたいの。フランスに渡る前にパリへ留学した気分を味わってもらえたら、とっても喜ぶと思う。SMAPの中居くんにデートしてもらったらいいと思うのよ」と言う。ぼくは「中居くんのギャラはとても高いし、タレントは不特定多数のために仕事はしても、個人のために仕事を頼むことはできません。そんなことは不可能ですよ」と社長を説得する。
 そのとき、ぼくがちょっと目を離して、もう一度社長の方を見ると、彼女は道路に転がっている。しまった! 目を離しているすきに、車にひき逃げされたのかもしれないと思い、慌てて屈み込んで「車に轢かれたの?」と尋ねる。すると、彼女は倒れたまま、ぼくの手を握り、ぼくの指先を愛撫し始める。どうやら、道に倒れたのは演技だったらしい。こんな女にそんなことされてもちっとも嬉しくない。やめてくれ。早く帰りたいと思う。

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4月23日の夢(大邸宅)

 どこか田舎にある三階建ての大邸宅に滞在している。ぼくは三階にいたのだが、そこから二階に降りてきて、なぜかトイレを探し始める。邸宅は地形を上手に利用したためか、両端の切れた三日月型をしており、したがって廊下も曲線を描いている。廊下は片側だけ、ドアがいくつも並んでいる。そのドアの一つをぼくが開けようとする前に、邸宅の主人である老人がバスタオルを巻いただけの半裸の姿で、ちょっとだけ廊下に出てきた。両目がロボットのように赤く光っているのが印象的だ。廊下には執事の男達が何人かいて、ぼくに「この館では主がバスルームに入っている間は主優先になり、誰も入ってはいけないんだ」と注意する。だから、二階では今ぼくはトイレに行くことが許されないのだ。ぼくはその間に真ん中のドアを開けたり、端のドアを開けたりしてみるが、どのドアを開けても同じ廊下に出てしまい、その廊下に面したドアはすべてバスルームに通じているので、開けることができない。
 廊下には天井から床まで全面ガラスになった大きな窓がある。そこから山が見える。野原も山も火山灰のようなものにおおわれていて、山の斜面は木ではなく、もしゃもしゃに絡まった土色の紐のようなもので覆われている。それを見ながら執事の一人が「本当は主を外に連れ出すべきだよなあ。私も名前を変えますから、と言って・・・」と言う。そのとき、山の斜面を上から下に向けて、土煙が矢のように降りてくる。誰かがスキーのようにして滑り降りてきたとも、雪崩のような現象にも思える。
 ぼくらは既に外に出ていて、そばに女性詩人がいる。彼女は「中島みゆきって、まだお若いんですか?」と尋ねる。執事は「いや、今年もう59ですよ」、ぼくは「もう60近いですよ」と、同時に答える。
(現実には中島みゆきさんはまだそんな年齢ではないと思いますが・・・)

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