8月1日の夢(少年愛と火山)

 ぼくは取材の仕事で、頭を丸刈りにした男の子に会っている。戦後によくいた男子小学生のような感じだが、年齢はよく分からない。尋ねても、けっして答えようとしないのだ。子どもだと思うが、もしかしたら既に青年に近い年齢なのかもしれない。というのは、彼は同性愛者なので、そのために少年ふうの格好をしているのかもしれないからだ。彼を見ているうちに、ぼくも同性愛の相手として、彼に欲望を感じ始めた。ぼくは彼をものかげに連れ込む。
 次の朝、彼の家の玄関から、その兄弟たちが大勢出てきて、一列に並ぶ。ぼくと少年もものかげから出てきて、彼らに加わる。ぼくはこれで帰るので、お別れの挨拶のためだ。ぼくがここまで乗ってきた車を指さして、兄弟達は「S社(ぼくの勤めている会社)さんから、さわらんようにと言われたから」と、方言まじりで言う。
 そのとたん、道路の向こうから激しい爆発音がして、たくさんの小さな噴火口が地面にでき、噴煙を吹き上げながら、まっすぐぼくらの方に噴火が迫って来る。一瞬逃げようかと思うが、まだ少し距離があるので、踏みとどまって眺める。すると、噴火は途中で止まり、これ以上こちらに新しい火口ができる様子はない。火口の周りにもぞもぞ動くものが見える。どうやら鹿の群だ。火山は鹿たちといっしょに向こうへ戻っていく。
 雨が降ってきた。そこへ宮崎県のお国自慢のプラカードを掲げながら、宮崎のPRソングを賑やかに歌いつつ、大人と子どもの群れがやってきた。ここまではぼくの見ていた映画で、これは映画のラストシーンなのだ。
 スクリーンの前のステージにマイクを持った一人の青年が立ち、「さあ、これからぼくの話を聞いてください」と、会場の子どもたちに話しかける。ぼくはもう出かけなければならないが、お腹がぺこぺこだ。大好きなうどんと卵焼きを食べ始めるが、もっと食べたいのに鍋が見当たらない。かたわらでうどんをつるつると啜っている妻に「鍋はどこ?」と声をかける。妻はうどんを啜りながら、あちこち見回すが、鍋は見当たらず、ぼくに「もっと早く聞いてくれればよかったのに」と文句を言う。

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7月31日の夢(枕と共に渋谷をさまよう)

 渋谷の街をさまよって、おいしいコーヒーを飲める喫茶店かレストランを探している。確か、このビルにいい店があったと思い、開きにくい黒いドアを無理に押し開けて中に入ると、内部は工事中だ。以前は白かったドアがそういえば黒くなっていたのは、閉館されていたためなのかと気づく。それにしても、ビルの床は工事に携わる人夫たちの吐いた唾でいっぱいで、あまりにも汚い。
 外へ出て、大学街の方に行ってみる。すると、奥の校舎は解体工事中だ。この街ではもうおいしいコーヒーは飲めないのだなと思う。ふと気づくと、ぼくは手に紙コップを持っていて、中にはインスタントコーヒーが入っている。あきらめて、それを飲みながら駅の方に戻る。電車に乗って、原宿まで行けば、おいしいコーヒーが飲めるかもしれない。
 ホームに出ようとしたのか、ぼくはエレベーターに乗り込んだ。家族連れがいっしょに乗り込んできて、男の子が突然、投げ縄でぼくの体をぐるぐる巻きにしてしまった。父親が子どもに「やめなさい」と窘め、ぼくも子どもを「やめろ!」と怒鳴りつける。
 そんなことをしている間、エレベーターは止まったままで、全然動こうとしない。エレベーターの奥には、枕を持ったやせた青年がいたが、彼が不審に思ったらしく、前に出てきて、操作盤を眺める。すると、誰もボタンを押していなかったのだと分かる。彼が階数ボタンを押すと、ドアが閉まって、エレベーターは動き出した。
 ぼくは彼から枕を受け取って、二階で降りた。そこは二階のはずなのに、地平線まで緑の草木がおいしげって、とても素晴らしい場所だ。空中公園なのだろうか。枕をくれた青年と目が合い、思わずにっこりとぼくらは目礼を交わす。そして、枕をどこに捨てようかと悩みながら、公園の中をさまよい歩く。

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二日分の夢(郵便局・旅館・大使館)

また、夢のアップを溜め込んでしまっていました。
(7月25日の夢)
 タクシーを郵便局に乗り付け、運転手に「運転手さん、待ってて」と言って、降りる。と、そこにいた中年の女性がちょっとためらった後、そのタクシーに図々しく乗り込んでしまった。ぼくは自分の荷物をタクシーのトランクに載せたままなので、用が済むまで運転手に待っていてもらわないと困るのだが。
 とにかく郵便局の中に入る。カウンターがあり、左と右に窓口担当者が座っている。なぜか左側の窓口だけ列ができていて、女性客が担当者に盛んに何かを依頼している。一方、右側の中年の男のいる窓口には誰も客がおらず、男は手持ちぶさたな様子だ。ぼくはなぜか左右の二人の担当者を無視して、二人の間から奥に向けて「すみません」「お願いします」と声をかける。遠くで「はい」という女性の声がするが、なかなか出てきてくれない。ぼくはタクシーのトランクの中にある荷物をどうしても、その声の女性に受け付けてもらいたいのだ。
 旅館にカメラマンらと三人で泊まっている。朝、起きて、朝食に行こうとして二人とはぐれてしまう。幸い、一人で朝食にはありつけたものの、旅館中一階も二階もあらゆる部屋を探したのに、はぐれた二人を見つけ出すことができない。
 外へ出ようとすると、ちょうど宅配便がぼく宛に届いた。別のカメラマンからの仕上がりのCDだ。ぼく宛の手紙も付けられている。もしかして、今回の仕事をしたのはこのカメラマンで、ぼくがはぐれたと思っているカメラマンたちは最初から存在しなかったのではないかという気になる。
(7月28日の夢)
 義弟がカンボジア大使館に就職したという。それで彼を頼って、カンボジアの殿下と、ぼくの義兄の対談をしてもらうことにし、夜、夕食も食べないまま、その大使館に出かける。
 大使館には二間続きの待合室があって、ぼくのようなジャーナリストや地元の陳情者たちが大勢、殿下と面会できるのを待っている。しかし、いつまで待っても義兄が現れない。携帯で電話してみようと思うが、最近買い替えた携帯は使い方がわからず、「通話履歴」を表示させることができない。最初からそういう機能は付いていないのかもしれないと思う。もしかしたら義兄から知らないうちに電話連絡があったかもしれないのに、これではそれを確かめることさえできない。
 やむなく義弟を探して、大使館の執務室の中に入ってみる。しかし、館員たちは全員食事中で、義弟の姿も見えない。第一、義弟とはもう何年も会っていないから、顔さえよく覚えていないのだ。
 もう一時間半も待ったのだから、このまま帰ろうかと思ったとき、隣の部屋に立って、ぼくを見て笑っている男がいる。髪をポマードのようなもので、ぴったりと撫でつけ、面やつれしてカンボジア人と見違えるようだが、きっと義弟だろう。彼は「××です」と自分の名前を名乗る。やっぱりそうだった。ぼくは彼に「もう義兄は来ないかもしれないね」と言う。彼はにこにこしながら、「あっ、そう?」と言う。

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7月21日の夢(狂犬病)

(福岡のホテルで昨日見た夢です)
 日本で狂犬病が猛威をふるいだした。ある日、放送で突然、「今あなたの家にいない犬はもう帰ってこないかもしれません。海外へ行っている人も帰ってこないかもしれません」とアナウンスされたのだ。しかも、状況は日増しに悪化の一途をたどっていく。犬好きの姉妹のような女性二人と、ぼくは飼い犬を大きな保健施設へ連れて行く。ここで検査を受けるのだ。犬はそこへ着くまでの間に、何度もマーキングする。ぼくと犬が検査を受けている間、二人は離れたところにいる。施設の係員が、ぼくの提出した検査試料の、検査の終わったものを返してよこした。ぼくは大声で二人に「終わったぞ」と呼び掛ける。

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7月18日の夢(団体旅行)

 詩人の団体旅行で列車に乗っている。まだ降りる駅は先だと思っていたのに、ふと見ると、皆降り始めているではないか。ぼくは周囲に散らばった大きな荷物や上着、切符などを慌ててかき集め、両手にぶらさげてようやく降りることができた。
 改札口の前に1両の貨車が停車していて、右半分を通せんぼしている。左半分はあいているのだから、通れるはずなのだが、そこは通ってはいけない規則らしく、皆おとなしく貨車が動くのを待っている。
 やっと貨車が動いたので、改札を出る。その先の待合室はお店になっている。長老詩人のM氏が一つのテーブルにつき、「並んでいるテーブルを占領しておいたよ」と言う。ぼくは「じゃあ、ぼくも隣に」と彼と同じテーブルにつこうとするが、思い直して隣のテーブルにつく。

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7月17日の夢(詩人がいっぱい)

 国文学者で詩人のF氏の家へ、O、N両夫妻と共に、妻と遊びに行く。F氏宅の和室には大きな黒板があり、左右の半分は緑で、半分は青色に塗られている。どうやら、ここで塾も開いているらしい。みんなとの会話の中で、高見順賞が資金がなくなって終わってしまい、賞の名前だけをどこかのアマチュアが買い取ったという噂を聞く。ちょっと外に出て、妻とぼくが部屋に入っていくと、みんなは食事をしている。ぼくと妻だけ、食べ物がない。もう11時だ。早く家に帰りたい。
 F氏宅を誰かの車に同乗させてもらって、出る。運転手は途中、大きな杉の木のある神社のような場所に車を乗り付け、真っ暗な闇の中の神社を覗き込む。すると、そこは神社ではなく、中南米現代詩の翻訳で知られるF氏の自宅であることが分かる。

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7月15日の夢(バスに乗ったり降りたり)

 ターミナルのバス停からバスに乗る。次のバス停で一人の乗客が降りると、乗客全員がつられて降りてしまった。しかたなくそのバス停で、全員が30分後か1時間後に来る後続のバスを待つことにする。
 妻がバス停の地下に降りていき、トイレに入った。と、バスがやってくるのが見える。ぼくは階段を駆け下り、「バスが来たよーっ」と叫ぶ。地下の奥のドアがトイレだと思ったのに、思いがけず左側のドアから妻の返事が聞こえたので、びっくりする。
 ぼくは地上へ走り出て、「乗りまーすっ」と運転手に向けて叫び、二人はやっと乗り込むことができた。
 だが、乗った後、ぼくの腕がバスの中の何かにひっかかり、持っていたコップの中身をあらかたこぼしてしまうが、何とか全部はこぼさずにすんだ。

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7月14日の夢(撃墜)

 チリの国に留学して、妻と地下鉄に乗っている。妻がペットボトルを手に、「ここではいつお茶を飲んでもいいらしいけれど、コップがいまだに見つからないの」と言う。ぼくは「ボトルから直接飲めばいいじゃないか」と答える。
 空を飛んで、哨戒飛行をしていると、敵が飛んできたので、撃墜する。墜落した敵は坂を悲鳴を上げながら転がり落ちる。ぼくが追撃して、なおも銃を向けると「撃つな!」と叫ぶ。坂を転がり落ちているときは一人に見えたが、坂の下で立ち上がったところを見ると、もう青年に近い少年と、小さな少女が絡み合って、一人に見えていたのだった。

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7月13日の夢(今日で退職)

 いよいよ今日は退職の日だ。今日で長年勤めた会社を辞めるのだ。ぼくは同僚たちに感謝のカードを送ろうと、皆の集合写真をスキャンしてパソコンに取り込み、それをバックに全員の名前を書き込んでいく。ところが出来上がったカードを画面でチェックしてみると、社員の名前の数が実際より多い。どうも重複して打ち込んでしまったようだ。何度も見直してみるが、どこが間違っているのか分からない。これでは、使えない。このカードを配るのはやめにしようと思う。
 そのとたん窓にはめられていた長方形のサッシが、「ダーン!」という音と共に、外側へ吹き飛んだ。窓の外は荒れ狂う日本海だ。この会社はいつまでここで持ちこたえられるだろうか? それに明日からぼくの仕事を誰が引き継いでくれるというのだ? 引き継ぎもしていないし、会社に置いてある私物だって、家に送り返さなければならないだろう。とりあえず一週間に一度は出社しなくてはいけないかもしれないな、と思う。

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7月10日の夢(豪華ホテルの怪)

 豪華なホテルに宿泊した。チェックアウトするとき、若い制服を着たホテルマンに旅行保険への加入を勧められる。気軽な気持ちで契約書にサインをすると、何十万円もの保険金を請求される。断ると、ヤクザのように脅迫される。
 
 ホテルの中のレストランで使える金券が数万円分あったので、それをレストランに持っていき、現金に交換してもらった。ところがせっかくの数万円の現金をホテルの床に置き忘れてきてしまった。青くなって取りに戻ると、現金が消えて、同じ場所に元の金券が置いてあった。通りがかりの女性に「変だな。お金に換えたのに、チケットに戻ってしまった」と言うと、「それはすごいですね。普通は金券をお金に換えてはくれないですよ」と言われる。それもそうだなと思う。

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