4月17日の夢(小さな町の下宿屋で)

 ぼくは小さな町で妻と二人幸せな生活を送っている。日の当たるガラス戸の前の畳に小さなちゃぶ台を置き、そこで身を寄せ合ってご飯を食べるような暮らしだ。
 そこは下宿屋で、朝の玄関は出かける女子学生たちで混みあっている。彼女たちの一人はバンドをやっているらしく、小さなアンプのようなものを抱えている。先に出て行った女子学生の一人が「ねえ。玄関の窓に変な顔が見えるでしょ?」と言うので、玄関にいたぼくたちは一斉に戸口の窓を見上げる。するとそこから、西洋漫画の主人公のような顔が中を覗き込んでいたので、みんなぎょっとする。だがよく見ると、それは隣にできた電器屋か何かの看板に描かれたキャラクターだった。
 そんな賑やかな学生たちが出て行った後、奥の居間で新聞を読む眼鏡をかけた中年の大家の男と、ぼくだけが下宿屋に取り残される。
 夕方、帰宅しようとちんちん電車に乗る。発車待ちの車内にぽつぽつと乗ってくる町の人たちは全員が顔なじみで、ぼくと会釈して挨拶をかわす。中には中年男性の外国人もいる。オレンジ色のパイのようなものを幾つも盛った大きな銀のお盆を持った女子学生の一人がぼくの横に腰かけた。そのはずみに、パイがぼくの足に触れそうになる。どこからか猫の鳴き声が聞こえる。見ると、子猫が乗り込んできて、ミルクを催促している。猫のくせにグレーのパンツをはいている。しかし、みんなお菓子は持っていてもミルクは持っていないので、子猫はお腹を空かしたままだ。

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4月14日の夢(教室)

 教室で皆と講習を受けている。全員がぼくを含め、何らかの精神障害を持つ人々らしい。机と椅子が縦に何列も並べられ、教卓には編集者のTさんが座って話をしている。
 講義の途中、ぼくはデスクの上の黄色い袋を開けて、ガサガサ言わせる。そんな音を立ててはいけないと自分でも思うのだが、なかなかやめられない。おまけにそれを床に落としてしまい、慌てて拾う。そうこうするうちに伝染したように、ガサゴソさせる音が教室中に広がっていく。後ろの壁際にある荷物置きのための机の上で、ガサゴソさせる音が中でも一番うるさい。ついにTさんも講義を中止してしまう。
 結局休憩になり、ぼくはデスクにあった小さな急須と、お猪口のような湯呑でお茶を飲み始める。とてもおいしい。そのお茶を一番前の列の人から、列ごとに後ろの人へ順繰りに送ることになる。ぼくのデスクの上には小さな急須と湯呑がたくさん散らかっているので、教室の前の方にある流し台でそれを洗おうと思って持っていく。だが、流し台にある真っ黒な蛇口は、流し台の横幅いっぱいもある巨大で複雑な機械だ。ぼくは戸惑い、皆に「この機械、どうやって水を出すの?」と尋ねる。

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4月12日の夢(退職の日)

 会社で仕事をしている。夕方までに銀座のY社に行き、取材の打ち合わせをしなくてはいけない。何もかもいつも通りの日常だが、今日はぼくの退職する日である。明日から会社に出なくてもよいというのがうそのようだ。これからY社に退職の挨拶をした後、家に仕事を一つ持ち帰って、zoomで打ち合わせをすると同僚たちに言おうか。しかし、そんなことなど何もないかのように、職場の様子は全く普段と変わりなく続いている。

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4月7日の夢(嵐の夢)

嵐が家の中の調度をすべて吹き飛ばしていったので、失われた家具をひとつひとつ買い求めてもとに戻した。

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3月30日の夢(展覧会)

 今日は自分が出品している二つの展覧会の最終日だ。昼間に会社の仕事を抜け出して一つ目の展覧会に行き、さらに夕方二つ目の方に行く。会場の中で入り口を振り返ると詩人のA氏が現れ、さらにその後から同じく詩人のI氏が入ってきた。ぼくは二人には気づかなかったふりをして、どんどん会場の中を進む。A氏がI氏に「やあIさん、お久しぶり」と挨拶する声が背後に聞こえる。どうせI氏と挨拶しなくてはいけないだろうから、「今日は最終日だからIさんがきっといらっしゃると思いましたよ」と言おうと思う。「ぼくはもう一つの座談会にも昼間行ってきましたよ」とも。そうするとI氏が「仕事を休んでも大丈夫だったんですか」と言うだろうから、「いいんですよ。そのかわり、ぼくはみんなが休んでいるときにも仕事をしているんですから」と答えようと思う。

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3月29日の夢(映画スタッフ)

 市街地の一角に広い草原がある。そこは映画の撮影用につくられた野外スタジオである。敷地外の風景が見えないよう、市街との境目には巨大な壁がつくられていて、そこには岩山の絵が描いてある。敷地の反対側には別のなだらかな岩山のセットがあり、その岩山の天辺近くに小さな窓が開いていて、そこからカメラの眼が覗いている。
 岩山の壁の前には小屋のように見える建物が設けられ、そこが撮影所の事務所になっている。今日もその事務所にスタッフとして詰めていると、夫婦ものらしい男女二人の歌手がやってきた。今日はこの二人のためのプロモーション・ビデオの撮影らしい。ぼくは二人を事務所の奥の楽屋に案内する。
 それから外の草原で撮影が始まった。ぼくはいったん外に出て撮影に立ち会うが、すぐ楽屋に引きこもる。夕方になって様子を見に外に出ると、草原に立つ木の梢に撮影効果用のガスがかかっているので、まだ撮影中なのだなと思う。ちょうど撮影クルーが戻ってきた。スタッフの中に少し高齢の男性がいて、「おまえがこの映画を製作しているなんて思うな!」と監督から厳しい罵声を浴びせられている。ぼく自身も高齢者なので、同じように思われているのかもしれない。
 楽屋に入るとクルーのメンバーは楽屋のドアをぴしゃりと閉じて、会議に入ってしまう。あとにはぼくや先ほどの男性、下働きの女性など数人が残される。ぼくらはそっとドアに近づき、中の会話に聞き耳を立てる。やがて会議が終わったようなので、ぼくらはなにげない顔でそそくさとドアの前を離れる。

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3月16日の夢(パリ移住と福岡出張)

 夫婦でパリに移住することになった。詩人のМ氏、A氏とSさんもそれぞれパリに移住するという。ぼくは彼らの荷物を運ぶ仕事をすることになり、М氏に見積もり状を出す。見積状には上に大きな文字、下に小さな文字で数字が書いてある。М氏が「この小さな文字のは何?」と言うので、「それは小さな荷物の分です」と答えると、М氏はうなずく。
 会社で福岡へ土日に出張することになる。家で妻に「土曜の取材が終わったら一度帰宅して、日曜に出直すから」と言う。
 出社してみると新人男性社員三人と中堅女性社員一人が同行することになる。若手の新人教育にもなるからだ。新幹線に乗ってから気づくと、若手社員たちがスーツ姿なのに、自分はパンツとよれよれのシャツ一枚しか身に着けていない。ラフなスタイルをしているだけと見えないこともないので、そのまま出発するが、車内で開かれたクライアントとの打ち合わせでは、みんなの後ろの席に遠慮して座る。クライアントが現地の店に電話しているのを聞くと、まだ全く取材の許可もとっていないことなしい。これではちゃんとした取材ができるかどうか分からない。それを幸い、ぼくはほかの社員たちを現地に残し、彼らに新人教育として明日の取材も任すことにし、自分はさっさと妻の待つ自宅に戻ると女性社員に告げる。

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3月9日の夢(国立競技場で社員集会)

 会社から全社員集会を行うから出席するよう指示が出た。全社員が集まるので、会場は国立競技場だ。トラックを取り巻いて、二重の円を描いて観客席が作られており、ぼくはその外側の円の二階席に座る。まだ観客席はがらがらで、空席が多い。集会の目的は最近、会社に反旗をふりかざす社員たちがいるので、彼らの動きに釘を刺そうというものだ。ぼくは会社に対して反抗的な社員の一人なので、集会が始まったらヤジってやろうと身構えている。
 いったん席を外してから戻ると、会場はほぼ満席状態。席がないのに、ぼくの座っているベンチの外側に腰を下ろす社員までいるので、にらんでやるとすぐ立ち去った。演壇では白髪の外国人女性がスピーチしている。会社の重役陣の一人らしい。彼女は「反会社運動はAとTの陰謀である」と主張する。ぼくは「そうだったのか!」と驚き、熱心に彼女の演説に耳を傾ける。

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3月4日の夢(お祈りをするカメラ)

 ぼくと妻とは一台ずつのお祈りするカメラを持っている。家の中の一番いい場所でカメラを構えると、一番いい未来がぼくらのものになる。そしてその場所はカメラ自身が教えてくれる。今朝も二人でカメラを構えたのは、部屋の中の全く同じ場所でだった。

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3月1日の夢(傘がない)

 会社の営業部長М氏から頼まれて、某社の普段は担当しない石油関係の部署に営業に行く。相手のオフィスの前の路上に立ち、長い間待っているとようやく担当者が帰ってきた。ぼくは急いで彼に近寄り、「いい加減に情報教えてくださいよー」と泣きつく。彼はそのまま社内に入ってしまったが、代わりに真面目そうな別の担当者が出てきて、「バレル」などの専門用語を使って詳しく教えてくれた。必死で書類の裏にメモをするが、担当外のことなのでやはりよく分からないものの、どうやら一億円ぐらいの大きな取引であるらしい。まずは良かったと安堵して、雨の中を帰ろうとするが、三つ並んでいる傘立てのどれにもぼくの傘がない。どうやら盗られたらしい。

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