11月30日の夢(悪夢)

 退職したはずなのに、まだ会社で働いている。クライアントのために、ラフを作って、プレゼンしなければならない。銀座の広い舗道には大きな電話ボックスのようなガラス張りの休憩所が点々と並んでいる。その中にいろいろな品物を置いては写真を撮る。その写真をレイアウトしてプレゼンするのだ。一つ一つボックスを移動しながら撮影するので、大変な手間だが、わざわざ移動する必要などないことに気づく。だが、外に出て振り返ると、もう休憩室には別の人が入っていて、戻ることができない。
 とりあえず会社に帰ってきて、手書きでラフを作り、癌でとうに死んだはずの社長のNに見せる。Nは一瞥して「気に入らんな」と言って、突っ返してくる。だが、ほかにどうしようがあるというのだ。大体、ぼくはこの会社を退職したはずなのに、なぜこんなことをやっているのだろう。
 目覚めると、隣の布団に父が寝ている。30年前に死んだはずなのに。布団をまたぎこすとき、少し父の体を踏んだようだ。廊下の窓から競技場が見える。そこで慶応のラグビー部が試合をしている。姿は見えないが、母の声がして、「さっきまでおばあちゃんが慶応の歌をうたって、応援していた」と言う。もちろん祖母の姿も見えない。寝床に戻ろうとすると、寝たまま父が「さっきおれを踏んだだろう」と、ぼくを詰る。あいかわらずいやなやつだ。

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11月22日の夢(沖縄の奈良)

 沖縄にある奈良の町に三日間の予定で旅行する。そのうち一日を使って、インドネシアまで遊びに行く予定で、既に航空券も用意した。
 ところがすっかり計画が狂ってしまった。奈良に着くなり、殺人事件を目撃してしまったからだ。ぼくは新聞記者なので、その記事を今夜中にも書いて送稿しなくてはならなくなった。いや、殺人事件と合わせて、本来奈良で聴きに行く予定だった詩の朗読イベントの記事も書かなくてはいけない。
 殺人事件といっても、ぼくは現場を見ただけなので、殺された被害者が誰かすらわからない。どうせ本土の新聞にはもう報道されているだろうから、自宅に電話して、妻にその切り抜きをFAXしてもらおうかと思うが、それより奈良で詩のイベントにも参加する予定だと言っていた女性詩人のBさんに聞けば、両方のことが一度にわかって、効率的だと気がつく。
 というわけで、Bさんにそれらの件を依頼し、「ぼくはこのホテルに泊まっているから、ここに連絡して」と、自分の宿泊先を書いたメモ用紙を渡そうとするが、見当たらない。何度もポケットの中身を全部出してみるが、ないのだ。ぼく自身、まだチェックインしていないので、自分の宿泊すべきホテルさえ分からなくなってしまったことに愕然とする。

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11月19日の夢(なげやり床屋)

 床屋へ行った。床屋はアメリカの詩人ガンダーさんだった。ぼくの頭を途中まで刈ってくれたのはいいが、「他の客を待たせているから」と言って、途中でやめ、ぼくを和風旅館のようなところへ連れていった。そこにも外国人のグループがいて、ぼくは一人だけその中に放置される。さんざん待ってみるが、床屋は戻ってこない。ぼくは手で自分の後頭部を確かめ、「まあ、これならいいか」とあきらめて、そのまま町に出る。

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11月17日の夢(倒産寸前)

 会社がもうつぶれかけている。会社は2つ建物があり、一つは覚王山のバス停、もう一つはその先のバス停近くにある。
 社員たちは同じバスに乗って、会社に向かう。バスの中で個室の鍵を受け取り、降りていく。ぼくは覚王山で降りなくてはいけないのに、ぼーっとしていて、発車寸前に慌てて降りる。他の社員たちは皆これから残業するつもりのようだが、ぼくはしばらく考えた末、交差点を渡って、そのまま家に帰ることにする。
 (覚王山は名古屋のぼくの実家のあった場所)

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11月12日の夢(失恋の染み)

 会社の台所を覗くと、女性社員が洗い物をしている。彼女の体に触れたい、と思う。すると、ぼくの視線に気づいたのか、彼女が振り返り、「このタオル、女の力ではしぼれないの。男の人の力でしぼってくれませんか」と言う。承知してタオルを受け取る。タオルには真っ黒な染みがついている。それはぼくが若き日に大失恋したTの思い出だと直感する。思い切り絞ると、水が飛び散って、台所の棚のあちこちがびしょ濡れになる。

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11月10日の夢(無差別投石)

 交差点にある大きな店の前で、眼鏡をかけた若い男が誰かに向かって説教をしている。「おまえなあ、二十歳のおまえと、昭和20何年生まれのやつでは、違うのがわかるだろ」と言う。顔を見ると、秋葉原無差別殺人の犯人に似ている。説教されている側が何かを言ったらしく、男は「じゃあ、これはどうだ」と言って、持っていた一掴みの小石を店の屋根に投げつける。石は雨あられと通行人に降り注ぎ、ぼくも頭を手でかばって逃げ回る。たまたま店の前に警官がいて、もっそりと警棒を抜いて構えた。それを見て、周りを囲んだ報道陣が高く手を上げてカメラをかまえたり、マイクを掲げたりする。すると、犯人の男も笑顔でみんなといっしょに両手を空に突き上げて、ポーズをとる。みんなが自分をつかまえようとしているのに気付いていないのだ。「自分もやってるよ」と、呆れた通行人たちから声が上がる。

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11月9日の夢(双子のような夫婦)

 ぼくの在籍していたS社の業績が悪くなったので、退職し、新しい会社に入った。バスで通勤する上野あたりにある会社だ。
 そこには詩人のR夫妻がいて、二人はまるで双子のようにそっくりだ。夫の方は物静かな人だったはずなのに、電話で長話するなど、かなりうるさい。夫婦でセールスに二人が出てしまったあと、ぼくは埃まみれの自分のデスクを雑巾で拭いている。すると、女性社員が「この会社は汚れっぱなしだから、そんなことしなくていいのよ」と言う。でも、ぼくは性分がきれい好きなので、彼女のアドバイスを無視して拭き続ける。

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11月5日の夢(地下住宅)

 昨年亡くなったはずの詩人AY氏ともう一人の詩人が、大分で地下住宅を建てて住んでいる、という記事が、タブロイド判の新聞に出ている。早速、大分にその家を訪ねる。地下だから窓はないが、部屋は広々としており、一室にはお雛様が飾られている。「こういうことをするのが東京の男さ」とAY氏は胸を張る。

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11月4日の夢(女性専用バス)

 女性だけが乗れるバスに、ぼくは一人だけ男なのに乗っている。トイレを探して、バスの前部に行くが見当たらないので、戻る。通路に客が寝転んでいるのをまたいで、自分のもといた席を探す。バスの車体は真ん中で直角に右に曲がっている。
 バス停で停車した。停留所名を見ると「多摩が丘」とある。ぼくはそこで降りるつもりはない。渋谷で降りようと思ったのに、新宿で降りてしまう。
 お店に入ったところで、携帯が鳴る。バスに同乗していた女性からだ。2度鳴るが、2度とも取り損なう。慌てて店の玄関口から外に出て、こちらから逆電すると、すぐ女性が出て、「多摩が丘」について質問してくる。「多分新しくできたニュータウンだと思うが、ぼくはよく知らない」と冷たく言って、電話を切る。

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10月20日の夢(映画の撮影)

 昨年まで在籍したS社。今、怪獣映画を撮影中で、会社はほとんど外部の撮影チームに乗っ取られたような感じだ。Uカメラマンの部屋へ行くと、彼は暇そうにベッドに寝転んで、文庫本を読んでいる。その手前では営業部長が母子と打ち合わせをしている。盗作スキャンダルで世間を騒がせた母子かもしれない。ぼくはしかたなく、すぐ引き返す。
 すると、街角でふいに後ろから、ぽんと肩を叩かれた。Uカメラマンである。「なんだい。打ち合わせ中なので、帰っちゃったのかい?」と磊落な様子だ。
 映画の打ち合わせが終わったらしい。撮影チームが一斉に動き出し、撮影がスタートする。その瞬間、Uカメラマンが小さなカメラを奪い取り、撮影チームを反対に撮影しだす。「おいおい、何をしているんだ」と撮影チームが騒ぎ出すが、無視する。
 現像したフィルムを試写する。「ほら、これ」とUカメラマンが画面を指さす。船を怪獣が襲撃するシーンだ。彼が何を指さしたのかわからないまま、ぼくは「どんな高さから、どう撮ったのか、これではわからない」と批評する。プロデューサーも「なるほど。あいつはどう模型を作るかはわかっていても、撮り方がわからないのだな」と言い、すぐに撮影中止を指示する。スタッフたちは皆、ほっとした表情で直ちに解散する。

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