5月5日の夢(引退記者会見)

 ぼくはさほど有名ではないが、芸能人のはしくれとして事務所に所属している。その事務所から「夜の8時から記者会見だ」と通告される。ぼくのほかに男女一人ずつ、計3人の合同記者会見。どうやらぼくらは強制的に芸能界を引退させられるらしい。記者たちがさっさと会場へ行ってしまった後、ぼくは記者会見を拒否すべきかどうか葛藤しながら、とにかく会場に向かう。階段を上ろうとしたが、2階との間はロープのようなもので結ばれていて、それをターザンのようによじ登るのだ。白い制服を着たバーテンダーのような男性に手伝ってもらいながら、懸垂のできないぼくはやっとの力を振り絞って、2階に上る。会場には椅子が沢山あるが、並べるのが難しい。ぼくは事務所から台本を渡される。この台本に従ってしゃべれば、そつなく引退表明をすることができる。本当にそれでいいのか? 迷っているが、いつまで経っても記者会見が始まらない。ぼくはつと立ち上がって、「こんなのやめにしよう!」と叫んで、会場を後にする。

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5月4日の夢(仕事カフェ)

 X社に出入りしている業者の人が集まるカフェに行く。丸テーブルの一つが空いていると思い、座るとウェイトレスに「そこは先客がいて、相席になりますがいいですか」と注意される。なるほど、今は席を外しているが、向かいの椅子の上に誰かの荷物が置かれている。ぼくは彼女に「構わないよ」と答える。ウェイトレスはさらに「一色さんは今日は夕方6時から◯◯を食べると予約されています。それに××もするとおっしゃつていたはずです」とたたみかける。しまった。ぼくはそんな約束をしていたのに、すっかり忘れていたのだ。6時まで待つのは大変なので、ぼくは一計を案じる。「いいですよ。それなら6時からでなく、今から食べます。今ならお腹ぺこぺこで、何でも食べられますから」と答えて、彼女を納得させることができた。
 テーブルの足元を見ると、何冊か新刊のX社のPR誌が落ちている。その一冊を手に取ってめくると、ぼくが妻に宛てて書いたX社の仕事についての詩が、本名ではなく変名で載っていた。その名前には「一」という文字が入っている。ぼくはそのことに深い満足感を覚える。

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5月3日の夢(言論統制に抗して)

 最近、同調的言説や言論統制的風潮が増加してきた。編集者たちはそれに対抗するため、自閉症やパーソナリティ障害の人たちに詩を書かせるようになった。彼らはけっして世の中に迎合しないからだ。ぼくも自閉症的詩を書くことにした。

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4月30日の夢(明日も出張)

 会社を挙げて出張に行き、終わって撤収することになった。バスに乗って帰ろう。急いだため、ぼくのスーツや書類を社長の荷物の中に投げ込む。帰社して、社長の荷物を探すが、見つからない。同僚に尋ねると、「社長は荷物を持ってもう帰宅してしまったよ」と言われる。「あの荷物を持って、ぼくは明日も地方へ出張するんですよ」と抗議するが、らちがあかない。
 妻と時間をつぶそうと映画館に入る。上映していたのはプールを舞台に男女の恋愛模様を描いたつまらない青春映画で、観客も少ししかいない。ぼくが思わず、「ああ、この映画か」と声を出すと、みんながぼくを振り向いた。
 映画館は半屋外にあって、スクリーンの隣は別のビルの白い壁だ。そこに意味は分からないが、時計のようにも紋章のようにも見える抽象的な画像が映っている。妻が中座して外へ出たので、ぼくも後をついていく。映画館の外を水量の豊かな川が流れていて、対岸には廃墟になったデパートがある。街の中で谷のようになったところをSLがこちらに向かってくるが、煙しか見えない。階段を下りて、隣のビルの地下へ行くと行列があったので並ぶ。どうやらトイレらしい。ぼくは行きたくないので、そこを離れる。

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4月29日の夢(大地漂流)

 地面が氷山のように流れてきて、我が家の子供部屋の前に漂着した。その上には知らない国から来た、見知らぬ鳥や虫がいる。鳥はムクドリほどの大きさだが、ぼやぼやとした綿毛のような羽毛で全身が覆われていながら、翼がない。飛べない鳥なのだろう。まだ小さいぼくの息子の遊んでいる暗い子供部屋の中に、鳥は小さな2つの荷物をくちばしで運び込み、姿を隠した。

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4月28日の夢(妻とはぐれる)

 夫婦で地方都市に旅行し、お昼になった。妻が「いつもあなたがいい食事のお店を見つけてくれるから、今日は私が食べるところを見つけてくるわ」と言う。そこはビルの中だ。そして、ぼくがちょっと目を離して、また妻に視線を戻すと、彼女はいなくなっていた。すぐに帰ってくるだろう。ここをぼくがへたに動くのは危険だと思う。しかし、いつまでたっても妻が戻らないので、しかたなく外に出る。多分、妻は駅の方に向かったのに違いない。だが、見回しても、駅は見当たらない。妻にケータイで電話をかけようと思う。お尻のポケットを探ると、いろんなものが出てくる。やっとケータイを見つけて、待ち受け画面を見るが、妻からの着信はない。

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4月27日の夢(郵便局員に脅される)

 トイレに起きる。用を足していると、ぼくの左手が異様にふくれ、そこに明らかにぼくではない異質な人格が宿っている。用を足しながら、ぼくは自分とつながった別の意思を持つ肉塊と闘う。
 郵便局に行くと、窓口が2つともふさがっている。窓口にいるのは全員男性だが、親切そうな女性職員が「お次の方、どうぞ」と呼んでくれる。一つの封筒でぼくはある団体の会費と維持会費と原稿とを一緒に送ろうとしているのだが、女性職員に緑の美しい野原に連れ出されてしまう。そして「2つの会費を払っていただかないと、この原稿が送れるかどうか、私どもとしてはどうにもなりません」と、慇懃無礼に脅される。

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4月26日の夢(本の山崩壊)

 ぼくはH氏賞の担当理事だ。あと1時間で選考が始まる。その記者発表書類を作ろうとしているのだが、候補詩集やFAX先のリスト等を全部家に置き忘れてきてしまった。どうすればいいだろう? おたおたするうち、曲がりくねった通路の両側に頭より高く積み上げられていた本や書類の山をがらがらと崩してしまった。

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4月22日の夢(自分自身と対談)

 会社に行き、二階、三階と階段を上り、各フロアにいる同僚たちに一冊ずつ大学ノートを配って歩く。だが、仲の悪いK前編集長には配らない。男性スタッフの一人が「これで資料を貰ったわけだけど、いつ打ち合わせをやりますか」とぼくに尋ねる。ぼくは半分階段を下りかけながら、「いつでもいいが、いつがいい?」と言う。彼が「じゃあ、今すぐ」と言うので、「分かった。では、これを置いてからすぐ来るよ」と返事をする。
 一階に戻ると、みんなが口々に「今、一色真理さんという80歳過ぎのおばさんが来て、一色さんと対談したいと言ってたよ」と言う。ぼくは「うん、聞いてる」と答える。男性の上司が「いつやるの」と尋ねるので、「これからすぐその打ち合わせを上でやります。なんなら一緒に来ますか」と言うと、上司は「いや、いい」と答える。

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4月21日の夢(集金人)

 自宅にいると玄関のチャイムが鳴った。「集金です」と言う。食事中だったが、財布を持って玄関に出て、ドアを開ける。二人の男が立っている。一人は大柄、一人は小柄でひ弱そう。どちらもアジア系の外国人で、大柄の方は以前にもどこかで会ったことがある。
 「やあ、久しぶりじゃないですか」とお互いに挨拶し、言われた金額を小銭で持ち合わせがないので、紙幣で支払おうとする。男はその紙幣を受け取り、明らかに少なすぎる釣銭しかぼくにくれない。抗議すると、二人はいつのまにか玄関の中に入ってきて、そこにある物品を持ち去ろうとする。やっとのことで二人を撃退し、お釣りもちゃんと貰う。随分長い時間がかかってしまったが、ダイニングに戻ると、妻が「何かあった?」と言う。ぼくは「いや、別に」と言って、また食事を続ける。

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