一色真理

 通勤のため、地下鉄の一両目に乗る。気づくと黒服の海上自衛官がいっぱい乗車している。出動する部隊の専用車なのかと、慌ててホームに降りる。
 だが、そうではなかった。どの車両も黒服の自衛官でいっぱいで、通勤客たちは満員の車内に乗りきれず、ドアからあふれだしてしまう。電車からはみだした男性通勤客の頭がホームの構造物にぶつかりそうだ。慌てて電車は急停止する。
 次の列車に乗ったが、行き先を変更し、東京駅ではなく銀座に向かうという。降りなくてはと、茣蓙の敷かれた車内で自分の脱いだ靴下を探す。周囲は脱ぎ散らかされた靴下でいっぱいだが、どうしても自分の靴下が見つからない。床には壊れた何かの機械が置かれている。さっきの騒動で壊れてしまったらしい。列車は突如、地下深くへ急角度で突入していく。
 銀座駅で降り、エスカレーターで地下街に降りる。なぜかぼくはエスカレーターに後ろ向きに乗っている。すぐ後ろに二人の少年がいて、ぼくに因縁をつけてくる。降りる寸前、ぼくはぱっと前を向いて、転倒せずにエスカレーターから降りることができた。少年たちから急いで逃げる。
 デパートの地下街にはぼくと同世代の女性詩人がいて、二人は階段の踊り場で「どうぞお先へ」「そちらこそ」と譲り合い、どちらも進退窮まってしまう。

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4月1日の夢(ロボットに襲われる)

 ロボットが次々と人を襲っている。フェイントをかけるようにして、突然固い金属の塊を投げつけてくる。しかも「一色さん、一色さんはどこへ行った?!」と、ぼくを名指しで襲ってくる。ぼくは狭くて細長い小さな部屋に逃げ込んだが、すぐにロボットに見つけられ、ドアを開けられた。ロボットにはぼくが見えているはずなのに、手探りするだけでぼくをつかまえることはできない。
 ようやくロボットは立ち去る。しかも、穴の中に落っこちてしまった。穴の上に蓋をし、その上に力を秘めた言葉を書いた紙を沢山置く。これでロボットはねう地上に出てくることができないだろう。

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3月31日の夢(山田さん)

 ぼくの編集している「ピアノの本」という雑誌の発送用封筒の刷りこみについて、いろんな人から尋ねられたので、見本を探そうとする。会社のデスクや棚を探し回るが、どうしても見つからない。会社の中は足の踏み場もないほどに書類が床や壁一面にぎっしり詰まっている。
 隣のデスクのアシスタントの女性に尋ねようと思う。それに雑誌の発送も依頼したい。しかし、彼女は席を空けたまま、なかなか戻ってこない。やっと戻ってきたが、かんじんの彼女の名前を思い出せず、声がかけられない。皆が「山田さん」と呼んでいるが、本当にそんな名前だったろうか。ぼくには彼女が別の名前だった気がしてしかたがない。それに、皆は彼女が正社員であるかのように、大事な仕事を彼女に託しているようだ。
 隣のセクションから若い男性社員が飛び出してきて、いきなり「なんとかさーん、なんでそんな名前の喫茶店をやってるの?」と窓の外に声をかける。見ると、山田さん(でも男性社員は別の名前を呼んだ)が校庭のはるか遠くに椅子をいくつか置いて、子供たちのためにお茶を出す喫茶店をやっている。
 ぼくはデスクで分厚い文学書の第1巻を読んでしまったところだ。会社で公然とこんな本を読んでいてよいのだろうか? 早く次の巻を読みたくてちまらないのに、その第2巻はやはりいくら探しても見つからない。
 女性が窓の外を指さし、「誰かさんが帰ってしまうのはなぜ?」と、ぼくに尋ねる。その女性は半世紀以上前にぼくの同級生だった小滝さんだ。小学生のときは眼鏡をかけたいかにも秀才ふうの女の子だったが、成長した彼女は輝くような女性になっている。

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3月26日の夢(地下鉄トンネルの少女)

 地下鉄に乗っていると、急ブレーキがかかって停止してしまった。まるで時間が止まってしまったかのような中、先頭の車両から線路に降りると、レールの真ん中に穴があいていて、そこから工事のヘルメットをかぶった若い女性が首だけを出している。線路のかたわらにも別の女性のいる気配がある。首だけ出した女性は「また会ったわね。私たちはエスは交わしていないけれど、詩人よね」と言い、ぼくにさまざまな深い真理を含蓄のある言葉で教えてくれる。そして「もっと教えてあげたいことがあるから、また会いましょうね。今度、ランチの後であそこへ行きましょう」と言う。ぼくは時間がないし、そんなことは迷惑だなと思うが、彼女たちは魔術のような力で、時間を止めてしまえるから、問題は起きないのかもしれない。「あそこ」とは秘密のバーのようなところらしく、そこへ行けばぼくはとても大切なことを彼女たちから教われるのだ。首だけ出した地下の女性はぼくに「きっときっとよ。約束してよね」と迫る。

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3月23日の夢(海のミニ火山)

 海で写真取材をしている。波打ち際で小さなミニ火山が2つポッポッと噴火している。
そのことを「知っているかい?」と尋ねられたので、「知ってるよ」と答える。
 学習施設で教師をしている。この施設では生徒の足りないところを集中的に個人授業できる個室が沢山用意されている。上司はぼくの父親だ。ぼくと打ち合わせをしたいからと会議室を予約し、ぼくに「牛乳でいいな?」と尋ね、ぼくが「いいよ」と言うと、食堂のおばさんに「それから、おれはチャーハン」とオーダーする。自分一人だけ食べるつもりらしい。

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3月21日の夢(便器のないトイレ)

 以前在籍していたS社にいる。いい企画書が書けたので、出版部に持ち込みたい。誰のところに持っていけばよいだろうか。皆の意見を聞き、わりと若い出版部員に見てもらうことにする。
 出版部は外国人の採用を決めたようで、沢山の黒人女性が座って、面接の順番待ちをしている。企画は出版部でも幸い好評で、満足してオフィスに戻ると、ぼくの席には他の同僚が座っていた。女性社員たちがぼくに「歌をうたって」と言う。「他の人の方が上手だよ」とぼくは依頼を断り、トイレへ行く。
 トイレはドアの前に木製の椅子が置いてあって、ドアが少ししか開かない。その椅子を取り除いて、中へ入る。手前の狭い土間に立って、奥の広い土間に放尿する仕組みだ。便器はないが、奥の土間は本来は大便をする場所のはずだ。そこを汚してしまうのは、後で自分が困るだろうと思いながら、背に腹は代えられず用を足してしまう。

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3月18日の夢(エスカレーター逆走)

 仕事の途中、銀座で手土産を探しになじみの店へ行く。ついでに食事もしたい。その店はあるビルの2階にあり、まだ開店前だ。入り口に和服姿の女主人と女性店員が何人も出て、大わらわで開店の準備をしている。食事はできないまでも、手土産の菓子箱は買えると思ったのに、無理なようだ。
 別のビルに行く。エスカレーターが止まっているので、階段のかわりにそれを登る。と、突然エスカレーターが動き出した。しかも下りの方向へ動き出したので、ぼくはそれに逆らって上昇しなければならない。ぼくの後から登ってくる人もいるので、必死で登り、ようやく2階に到達。次の階に登るエスカレーターはすごい高速で動いている。またもや必死の思いで飛び乗る。そんなに苦労したのに、このビルにはお菓子屋もレストランもない。
 しかたなく銀座通りを歩く。ふと素敵なコーラスが聞こえるので、上を見上げると、大画面の中で年老いたボニー・ジャックスがあいかわらずいい声で歌っているのだ。しかし、メンバーは3人しかいない。そうだ。一人死んでしまったのだ、と悲しくなる。
 トイレに入る。下がオレンジ色の液体で水たまりになっている。これは尿かもしれないが、構わずスリッパでそこに立ち、前方に広がる広大な土間のような場所に用を足す。ぼくの尿もオレンジ色だ。どうやらミカンジュースを飲み過ぎたらしい。左側に後輩の男子がいて、「すごい! 先輩の飛距離が誰よりも一番ですよ」とほめてくれた。

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3月17日の夢(熊野から成城へ行く電車)

 熊野のあたりの山中で仕事を終え、駅で電車に飛び乗る。車内は空いていて、座ることができた。やれやれと思うが、車窓から見る外の景色に違和感がある。どうも反対方向へ行く電車に乗ってしまったようだ。次の駅で女性の乗客が降りるのに続いて、「すみません」と言いながら、既に閉じかけたドアをこじあけて降りる。ホームの反対側に停車していた電車に乗る。走り出して再びやれやれと思うが、なんと窓の外をすれ違った電車は「成城学園前行」と表示してあるではないか。あれに乗れば、ぼくの自宅のそばまで直行で帰れるのだ。慌てて次の駅で降り、その電車に乗り換える。ところが電車は延々と各地を経由して、いつ東京へ帰れるか分からない。しかも、変なところで降ろされてしまった。道が二股に分かれていて、片方は「京都へ徒歩1分」、もう一方は「大阪へ30分」という表示板がある。さて、ぼくはどちらへ行けばよいだろうか。

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3月16日の夢(黄色いお弁当)

 黄色いお弁当というのが有名らしい。そのお弁当についてぜひ知りたいと思う。知人の女性が沢山そのお弁当を買ったというので、一つ分けてほしいが、全部自分で食べるのだという。
 それなら、黄色いお弁当を作った業者から話を聞こうと思う。それはそのお弁当のために死んだ女性にまつわる怖い話だ。黄色いお弁当を買った女性に、いっしょに聞きに行こうと誘うが、彼女は恐怖のためにパニックになり、お弁当をみんな火にくべてしまう。驚いたぼくは慌ててお弁当を火の中から拾い上げる。幸い、お弁当に火はまだ燃え移っていなかった。

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二段重ね弁当風呂

 二段重ね弁当を食べようとしている。このお弁当箱はお風呂にもなるのが特長だが、ぼくには小さすぎて入れない。
 
 会社をいったん退職し、契約社員になった。そろそろ退社時間なので、自分のデスクの片づけをしようと思うが、ぼくのデスクの周りに若い社員のチームが腰を下ろし、これから打ち合わせをしようとしている。広告プロダクションではよくあることだ。ほかの空いているデスクにとりあえず座ろうと思う。詩人のA氏が隣の部屋から「一色さん、ちょっとちょっと。リンクのページはhtmlを手書きしているの?」と声をかけてくる。「あそこは以前からある古いページなので、手書きなんですよ」と答える。
 同僚のOさんのデスクを探して部屋の端の方へ行くと、そこにはIくんが座っている。ぼくは彼に「Oさんの小物箱はどこ? ハンコを探しているんだ」と尋ねる。彼もいっしょに探してくれるが見つからない。
 これでは仕事にならないから、もう退社しようと、タイムカードを押し、カードを所定の場所に戻す。今日からぼくは契約社員なので、タイムカードケースの一番下が所定の位置だ。そこにはもう一枚、カードがある。この会社にはもう1人、契約社員の女性がいるらしい。

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