映画「TROY」はホメロスの「iliad」イリアスと

映画「TROY」はホメロスの「iliad」イリアスとあまりに違いすぎるとアメリカの批評家らが
物議を醸し出した。しかし、映画は映画で私は面白いと思う。なぜなら、原作はあまりに
神々と人間が複雑にからみあっていて、とうてい映像にはなりにくいし、また説明もできない
からである。
だいたい、どこから、はなしたらいいのかわからない。
イリアスとは、トロイのこと。いまではトルコにある。アキレスは半身神で半身人間の英雄。母はティテス
は海の女神とペレーウスの息子。最後にパリスに弓でアキレス腱を切られて死ぬが、ティテスがスティス川に足をつかんで浸し神々のように不死身の体にするが、アキレス腱だけつかんで逆さにに川にひたしたのでその部分だけは不死身にならなかったので人間とおなじように死ぬので、悲しいのである。
パリスはヘクトールの弟でトロイの王家に生まれるが、母の夢みが悪かったため、羊かいに育てられる。テテイスとペレーウスの結婚式は神々からも盛大に祝福をうけるが、ひとり争いの神エリスだけよばなかったので、エリスは怒っていちばん美しい女は誰かといい、金の林檎を放り込む。ゼウスは羊飼いのパリスに審判させることにする。アテネー、ヘラー、アフロディテーの内、いちばん美しい女を与えると約束
したアフロディテーがいちばん美しいとハリスは審判する。これがもとになり、Troy戦争がはじまるのである。パリスはメネラオゥスの妻をスパルタから略奪してくる。これをアフロデイテーが助ける。メネラーオスはアガメムノンの弟でヘレンを取り戻すために戦争を起こす。どの映画でもヘレンと名の付く女は美しいに決まっているので、観客を満足させなければならないのだ。美しい女はなんにもしなくても唯眺めて
いるだけていいので、いいなあと思う。ただこの女のために男たちが血で血を争う戦争をするのはいかにも古代だとおもう。いまなら、石油とか共産党とか革命とかコロニーとかいろいろですけれど。
パリスはアキレウスを殺すが、最後にヘラクレイトスの弓を持つピクロテーテースに射られて瀕死の重傷を負うが、前の妻オイノーネーに助けてくれるように頼むが断られ死ぬ。
ヘクトールは家族を大事にするやさしい男だが、アキレウスの親友パトロクロスを殺したため、アキレスの恨みを買って殺される。戦いが終わっててもよるじゅうヘクトールの遺骸をひきづりまわし、ヘクトールの父親プリアモスに請われて遺骸を引き渡す。
こうして、トロイ戦争はアキレウスもヘクトールもパリスも死ぬのである。その他のおびただしい兵士たちも死に、イリアスの中はこの戦争で死ぬ人々の描写以外には何もない。「平家物語」の悲しいが「イリアス」はもっと虚しい。二十歳の頃私が読んだ本はイリアスだった。なんでも、覚えているのは、アキレス
が海に向かって、まるで幼い子が母に訴えかけるように、駄々をこねるところが微妙に悲しかった。
どうしてあんなに立派な英雄がお母さんに小さい子供のように駄々をこねるのだろうと思っていたら、
アキレウスは小さい頃母に育てられた訳ではなかったので、大きくなってもいつまでも寂しさが残っているからだと何かの本に書いてあった。それから、ヘクトールの妻アンドロマッケは夫に戦場に行かないように懇願するのも、ギリシャ時代から女たちはこうだったのだと思い、何千年立っても変わらないものは
変わらないのだなあと思ったことだった。


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