ローマの壁画のカレンダーはほんとに不思議な絵がついていて、3年ばかり飽きずに同じものをながめている。それはポンペイの壁画のような絵でもあるが、とても素朴な絵でそれ程たいした絵のようにも思えないがなぜ人を飽きさせないかがわからない。まず庭の絵があってそこはこのうえもなくのどかでだいたい木にとりがきて、レモンかオレンジの啄んでいる。ローマのひとも鳥が好きだったのかと思う。それから
家族や身近にいる動物がかかれている。台所には魚が飛び跳ねる絵があったりする。家族の絵は物思いにふけっていて、感懐深い。たとえば、たぶん病気かなにかで娘がしにそうになっていると死に神のような男に母親が怒ってたちはだかっていたり、息子はなかなか世の中とうまくいかないので、悩んでいたりするようだ。なんだか、こちらがかってに物語を作ってしまうような絵なのだ。それから、家のおおきな守り神がいたり、なにかおんなが土地の神にとりつかれたような儀式の場面もある。おそらく、ローマは最初の都市だったのかもしれない。だから、現代の人々もなにかテロや戦争の破壊がないように、平和を祈願して都市生活を無事にすごすことができるように世界中の人々がそういうカレンダーを眺めるのかも知れないと思う。わたしがどうしてかローマに惹かれてのかといえば、恐らく高校時代に読んだ世界史は
メソポタミアやエジプトなどからよんでいき、ローマあたりでおわってしまったからであろう。ローマのバチカンの庭ほど天国のように思えたことはない。
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