昨日、目黒の庭園美術館で「森と芸術」展を見てきた。
「芸術はどのように、森を描き、森を想い、森を懐かしみ、森をふたたび獲得
しようとしてきたか。」
このカタログには巌谷國士の解説が載り、人類の記憶に残る森の文化史が、
作品とともに語られる。最初におかれているアンドレ・ボーシャンの愉しい森の
風景に始まり、デューラー、コロー、クールベ、アンリ・ルソー、 ゴーギャン
その他から、エルンストなどのシュルレアリスムまで、(なかにはギュスターヴ・
ドレやアーサー・ラッカムなどの絵本やグリム、アンデルセンの挿絵も)並べら
れていて、私はちょうど同人誌「二兎」で森についての作品や鼎談を発表したばか
りなので興味が尽きなかった。
見終わって、雨上がりの、まだ濡れた庭に出ると、美しい庭園のあちこちにチェスの 駒のように 黒、白 の椅子やベンチだけが点々とおかれ(人影も少なく)、背の高 い林に囲まれた緑一面の芝生が広々とひろがっていて、絵の中の森の余韻みたいに思 えた。
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