前田ちよ子さんのこと

 ペッパーランドの創刊同人だった前田ちよ子さんが他界されました。急性骨髄性白血病になられ、5月10日に富山の入院先からお電話をいただいたのですが、それから2ヶ月、私は気の休まることはなく一日一日を過ごしてきました。そしてついに7月3日朝死去されたとご家族から電話を受けたのです。 6月半ばに緩和ケア病棟に移られたという彼女の電話に、急遽お見舞いに伺ったのですが、その折はまだ笑みを浮かべながら、いろいろなお話を一時間くらいすることができました。ご家族に伺うと彼女は病気を淡々と耐え、静かに受け入れて、けなげに最後の時を迎えられたようです。59歳の死は早すぎるといいたいですが。
 このブログにも入れましたが、去年5月に荒川みや子さんと富山を訪ね、12年ぶりに3人で一夜の語らいをもてたことを思うと、その一年後の今の成り行きが信じられません。
 彼女は病床でも童話を書いていました。詩集として「星とスプーン」「昆虫家族」の2冊を出しておられます。2冊ともユニークなすぐれた詩集で、今読み返しても不思議な魅力を感じ、彼女は自分の運命、あるいは人生の成り行きを半ば以上予感していたのではないかと思ったりします。独自の感性と直観で,現実の裏側にもうひとつの宇宙を見ることのできた人かもしれません。
 前田ちよ子さんの詩や童話をこれから少し紹介できたらと思っています。

カテゴリー: 日々のキルト パーマリンク

前田ちよ子さんのこと への5件のフィードバック

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です