アンジェイ・ワイダの「地下水道」が撮られた時代、中井正一の「『土曜日』巻頭言」が書かれた時代は、当局の検閲が厳しく、自分の考えをそのまま表現することはできなかった。 彼らが使った「隠喩」や「象徴」の力を私たちはすっかり忘れてしまったのではないか、、、と、2008 年の幕開けに考える。
というのも、暮に聞いた歌が、曲は好きなのもあったのだけれど、歌詞があまりに「そのまんま、、」で、うんざりしてしまったからだ。
そんな折、チェスワフ・ミウォシュ著「ポーランド文学史」(未知谷)の中に、次の詩を見つけた。
皆さんの初夢はどのようなものでしたか?
「エンピツの夢」 ティモテウシュ・カルポーヴィチ(1921〜2005)
沼野充義 訳
エンピツは服を脱いで眠りにつくとき
硬く心に決める
こわばって
黒く眠ろうと
そのとき頼りになるのは
世界中のどんな芯も生まれつき
曲がらないようにできているということ
エンピツの背骨の芯は
折れることはあっても 曲げられない
エンピツは決して 波や髪を
夢に見ないだろう
夢に見るのはただ 直立不動の
兵士たちか それとも棺桶だけ
エンピツの中にあるものは
真っ直ぐだが
エンピツの外にあるものは曲がっている
おやすみなさい
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