洞門山を守る会主宰のこのコンサートに、昨夕行って来ました。
そこでの会長さんの挨拶によると、洞門山は何とか守れそうです。
まだ交渉は続いているようですが、業者からの要求は次第に後退してきており、年内には目処がつき、大きな開発にはいたらない様子です。
そしてこのコンサートも、それを買い取るためまたこれからの緑を守るための資金調達にと、宇崎さんの力を借りて開催したものです。宇崎さんは疎開先の京都で生まれ、そのせいかこの地に別荘を持つようになり、ここはリフレッシュできる地であり、宝物であり、そこが何時までもこれまでのままでいて欲しい、という気持から一役買ったとのこと。
プログラムを紹介します。
第一部 トーク&スライド
講演者:志村直愛(デザイン工学、環境デザイン学助教授、専門は日本近代建築史、都市景観。各地の歴史を生かした景観作り、市民参加型のまちづくりにも携わる)
休憩
第二部 宇崎竜堂 コンサート with 横田明紀男
第一部は、この地及びそれを含んだ都市全体の意義を、時間的空間的にスライドを写し出しながら簡潔に説明。この地は、要塞都市であり、全体的に寺社も旧跡も全て山を背負った地にあること、しかも一本の中心道路を幹にして、枝のように細い道路がいわゆる谷戸と呼ばれる谷間にのびている事、そこに寺社や住宅がひっそりと住みなしている事、それゆえ緑の山は不可欠である。しかし高度成長により都市化の波が押し寄せ、今は終戦当時の緑の半分以上は失われてしまったこと、それを航空写真などでも映写。それを何とか食い止めようとした最初は、八幡宮の裏山の開発に地元名士たちが立ち上がり市民運動となっていった、昭和35年の有名な「おやつ騒動」をきっかけにして、古都保存法が成立、その後も市民を中心にした地道な活動によって緑は守られているということもさっと簡単に紹介。それは単なる地域エゴではなく(もちろんそれがないわけではないが)この地を守りそれを子孫に手渡すことが任務であること。しかし現実問題としてはなかなか難しく、市もできるだけ力は尽くしているが全てを守ると財政はパンクしてしまう。それを助けるためにもこういうコンサートなどをして援助するのだと。
最後に洞門山、そしてその周辺についてもスライドで紹介。
いよいよお待ちかねの第二部。
小ホールながら満席。ギターリストと登場した宇崎さんは、はじめはちょっと勝手が違うといった感じ。何しろ聴衆のほとんどが昔若者であった人たち(私を含めて)なのでクラシックコンサートを聴くような雰囲気だった。それで曲も、趣旨に合ったようなソフトで優しく温かで、ウッディなものを選んできました、といってトークを交えながら、デビュー35周年記念としてブルース集を出した、日本にもそのブルースに当たるものはといって「竹田の子守唄」、また「思い出ぽろぽろ」と静かな出だしであったが、ギターリストのかなり強烈な独奏を披露させた後は、巧みなトークによってエコーに始まってたった二人の演奏であるから皆さんがパーカッションになってくださいと拍手から、最後はコーラスのようなものまで聴衆を巻き込み参加させるほどになり、熱気を帯びてきて
ライブならではの楽しいコンサートとなった。この道に疎い私であっても知っている「あんた あの娘のなんなのさ」の文句がある「ミナト ヨコハマ・・」や山口百恵の「ロックンロール」、「サクセス」「生きているうちが花なんだぜ」など。アンコールにも応えてくれた。また若いギターリストの横田さんは、ギターの演奏も素晴らしかったが格好よかった。
外に出ると、雨になるかと思っていたら晴天で、満月に近い月が薄い雲をときどきまといながら中天にあった。
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