T温泉行き21年目に当って(1)

新聞によると寒冬・大雪は20年ぶりだという。また12月の気温も戦後最低だったとの事。T温泉で過ごしたお正月の中では一番の大雪だと思い、また土地の人もそう言っていたが、当っていたわけだ。
昨年は戦後60年ということで話題になり、回顧されることも多かった。ああ、それは還暦ということだな、と思い当たった。もう戦後ではないという言葉が使われたことがあったが、これからはもう「戦後ではない」事からも遠くなるということだろうか。しかし戦後長く続いた「平和」に赤いチャンチャンコを着せて、それではお役目ご苦労様と言われてはかなわないなあ・・と思う。この長寿の時代、いつまでも「平和」には長生きをして、現役でいてもらわねば困るのである。
その3分の1である20年というのも、一つの節目ではあるだろう。
オー・ヘンリーの短編「20年後」は、20年後に同じ場所、同じ時間に会おうと約束して別れた親友の二人が、運命的な再会をする話だが、20年はそのくらい人間の運命を変えることさえある。それに比べ自分のことについていえば、年をとっただけで何の変わり映えもしてないな・・と全く情けない。むしろT温泉行きの方が、最初から眺めてみればかなりの変遷があった。グループの人たち、交通手段、温泉地と宿自体にそれがあり、そのことを同人詩誌「Who‘s」(100号)にもエッセイとして書いたのだが、年頭に当ってここにも簡単に記して置こう。
次回から何度かにわたってそれを書いていきます。

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