明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
今では恒例となったT温泉に、今年も出かけました。
30日夜から降りだした雪が、帰る日の3日まで絶え間なく降り続き、これまでにない雪に埋もれたお正月をすごしてきました。参加者は8名、新しい人もまた若い人もいないほぼ常連だけの一行となりました。
大晦日の前日、確認の電話があった頃から降り出したと思える雪が、年が明けてもずっと止むことなく続き、大雪となってしまいました。
初雪後ほとんど降らなかった雪がやっと降りだしたと聞いて、迎えの車の中で、「私たちを歓迎して降ってくれたよう・・・」などと不謹慎な言葉をつい発してしまいましたが、地元の人たちには大変であることが次第に分ってきました。宿のご主人の顔がどこにも見えないので、どうしたのかと思っていましたが、男性たちは雪対策で、外へ駆り出されていたからでした。
一夜明けた元日はもう新雪が一メートルほども積もっていて、何もしないで置くと車などは雪から掘り出さねばならないほどなので、絶え間なく道路の除雪はもちろん車なども雪下ろしをしておかねばならず、帳場にいることは出来ないのでした。
2日目の夕方頃、やっと忙しそうに館内を歩くご主人と出会って、挨拶を交わしました。
一昨年も記録的な豪雪で新幹線もぎりぎりまで不通になって心配しましたが、昨年は全くの雪不足で道路が乾燥しているほど、そして今年は降るとなればこのように絶え間なく降り続くという極端さ、やはり異常なのでしょうか。
今年はスキーに出かける人もなく、温泉と雪とお酒と時々はテレビ、それぞれ勝手に読書など静かにすごし、大晦日の鴨鍋に始まるいろいろな鍋、炭火で炙った岩魚や鮎の串焼き、手をかけた山菜やキノコの小鉢などのこの地ならではの料理を楽しみました。
持込の酒は古風な瓶に入った琉球泡盛、泡盛を長期保存した古酒(クース、味も香もまろやかに素晴らしくなる)と LAPHROAIGというスコッチウイスキーのモルトの10年もの、これはスコットランド沖にあるISLAY島で作られたものらしく村上春樹のエッセイの中に出てきたというのだが、私はまだ確認していない。どちらもその香りといい、きつさといい、なかなかの物で皆でちびりちびり賞味しながら頂きました。持ってきた者もエッセイの題の記憶が不確かで、推測するに『もし僕らのことばがウイスキーであったなら』の中にあるのではないかと思うのですが、まだ調べていません。
連日雪は止むことなく、寝ていると次々と大砲のような音を立てながら落ちる屋根の雪に驚かされます。しかし風がそれほどではないのが幸いで、2日には雪をついて川下の大湯まで散歩しました。新雪だけで出来た2メートル近い壁、道路は除雪車と雪国ならではの工夫で水は流れていても歩きやすいのですが、やはり長靴でなければダメで、わざわざ持って行った私の長靴は大いに活躍。これは初期の頃小出で買った物なので、この靴も雪国への里帰りで満足したことでしょう。
大湯では、熊野神社の隣に共同浴場が新設されていました。「雪華の湯」と名づけられ、外には足湯もありました。ここのスーパーで土地の白ワインを購入、持込の赤ワインボージョレヌーボーと共に帰ってからワインタイム。
残念だったのは餅つきが3日になったこと、この大雪で2日は男手が揃えられなかったということでした。ということで、餅つきを前にして3日、帰途に就いたわけですが、駅までの道はそれほど困難はなく(一昨年は吹雪模様で大変でした。時間に間に合うかどうかとはらはらしました)、すいすいと到着。道筋ではあちこちで雪下ろしをする姿が見られましたが、滑って雪の埋もれたら一たまりもないなあと思われる雪の量でした。雪も少し小降りになり、雲間から少しだけ青空が覗いたりするほどになってきて新幹線乗車。
いつものことですが今年ほどトンネルを境に南と北の気象の違いがはっきりした時はありませんでした。湯沢を出ると後はトンネル、トンネルの連続、クジラが息をするようにちょっとだけ地上に顔を出すことがあっても、後は延々と地中の闇の中、そして地上に顔を出した時はもう雪は全くなく太陽が燦燦と降り注いでいる。あの大雪はどこへ消えてしまったのだろう?と不思議な感覚に陥ります。
私が地球を風船のように手玉に取れる大男だったら、日本海側の雲の群れを手で掬い上げて太平洋のからから天気の野山にふりかけてやるのになあ・・・と夢想したくなるほどです。
そんな乾いた土地に降り立つと、何やらあの雪に埋もれた日々が無性に懐かしくなります。
いよいよこれからまた一年が始まる、という気持でこれを書いています。
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