小澤征爾音楽塾 歌劇「カルメン」

一日中、雲の上では雷鳴がとどろき、時には激しい雷雨にもなった先月30日のこと、これに出かけた翌日ブログを書いたのですが、なぜか不具合を生じて入れることが出来ませんでした。それでもう一度書くことにしましたが、大丈夫かな?
試してみると復旧したようなので安心して書くことにします。
これは若い音楽家たちがオペラ公演を通して深い音楽の表現力を体得するためにと、小澤征爾の提唱により2000年に発足したプロジェクトで、オーディションで選出された若い音楽家たちと約一ヶ月にわたり小澤氏をはじめ一流の音楽家たちの指導を集中的に受け、公演の運びになったものだという。
オペラといっても(演奏会形式)ということで、本来はボックスにいるはずのオーケストラが舞台の中央を占め、その背後や前面で合唱団やソリストが歌い演じる形式である。しかし音楽自体が変わるわけではないので、大掛かりな舞台装置や豪華な衣装などがないだけ音楽自体を純粋に味わえる感しで、これも簡素でいいものだなと思った。
最初に小澤氏が挨拶と紹介、いよいよ演奏が始まる。登場したのは鬼原良尚という若手の指揮者で、19歳と紹介され会場は一瞬どよめいた。黒ずくめのほっそりした姿は蟷螂を思わせ、全身をしならせて指揮棒を振る熱演はどことなく小澤さんに似ている感じがした。
内容はもちろん全曲ではなく有名な部分の抜粋である。オケと合唱団を合わせ総勢は100人を超える若いエネルギーと熱気が舞台にあふれ、スペインの闘牛とフラメンコの情熱を象徴する「カルメン」というオペラの演奏にはふさわしいようだ。合唱団は白黒の服装だが、カルメンやホセ、ミカエラやエスカミーリョのソリストたちはそれぞれに衣装をつけて堂々と演じ、楽しませられ、気分も高揚する。
大ホールはほぼ満席で、拍手鳴りやまず、客席にいた小澤さんを初め3人の指導者たちも舞台に導かれる形になり、才能を秘めた若い音楽家たちへの熱い拍手ともなった。
雷鳴は時々聞こえていたが、出かけるときもまた帰りもほとんど雨に遭うことなく、細く降りだしたのが夜になるとまた激しくなった。楽しかったけれど、やはり若いエネルギーに当てられたのか、帰り着くとぐったりしてしまい早々に寝に就いたのであった。

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