出会いと別れの季節(台峯を歩く)

春と冬が入りまじり、変転さだまらない日が続きます。
昨日も、時々薄日のさす曇り空だと言われていたのに細い雨がちらついたりした一日でしたが、いつもの台峯歩きに出かけてきました。
北陸新幹線が開業し、トワイライトが姿を消すなどと、この季節は出会いと別れのある時期ですが、植物たちにもそれを実感させられながら歩いた一日でした。
草花の芽吹きの時期です。冬枯れした草の脇から生まれてきた新しい芽や葉を、まだ去りやらぬ冬の寒さから身を守りながらも、しっかり生きようとしている姿が見られるからです。
ハルジオン、オニタビラコ、ムラサキケマン、ノゲシ、などなど・・・、でもこれらが小さなわが庭に出てくれば、みな抜き取らねばならないものたちばかり・・・ですが。でも見落としそうな、また見分けのつかないそういう小さくて地味な草を見ながら歩く姿はあまり良いものではないし、また身体にもよくないので、そういう時は空を見上げて鳥の姿を探しましょうとKさんが言います。
見上げた空には木のてっぺんに止っているモズ、空を舞うトビ、木間を飛び交うアオジやゴジュウカラ。そしてカシラダカやベニマシコもですが、私はその姿をとらえるのがへたで、全部を見ることはできませんでした。それでもウグイスの声が聞けた(少し前から鳴いていたそうですが、私にとっては初音)のは嬉しかったです。鳥たちはもうちゃんと春を感じているのでした。
さて、そういう訳で花はこれからなのでほとんどありませんが、でも小さい、また地味なものはちゃんとあります。筒状の先端を5弁に開く紅色のウグイスカグラ、匂いのいい黄色の小花を沢山咲かせるヒサカキ、同じようなオニシバリ、また葉も花もとても小さいヒメウズ(花はオダマキに似る)、簪のようなキブシの花など。またそろそろスミレ類も。また地味の極限のようなヒメカンスゲ(姫寒菅)は、スゲの中でも早春に咲くのですが、葉が細く、黄色いブラシのような穂は触るととても柔らかく気持ちが良いのでした。
どんな草でも大切にするKさんですが、生態系を乱す外来種、特に最近はヒメオドリコソウ(姫踊子草)は在来種の春の七草にあるホトケノザを滅ぼしかねない勢いであることを懸念して、それを見ると退治せずにはいられないようです。確かにこのコースでも路傍のちょっとした土があればすぐさまはびこってしまう勢いで、出口辺りではそれに協力して草取りとなったりしました。

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