憂い深き台峯を歩く。

秋が深くなったというより、朝夕は冬の寒さにもなるこの頃です。
昨日は台峯歩きの日でしたが、ここも憂いが深くなってきました。
以前、北鎌倉駅ホーム脇の、洞門山と呼ばれている緑地が壊され開発されようとしていて、それが市民たちの反対運動の結果中止されたことは報告しましたが、今またそこも問題が生じています。これは台峯ではありませんが、この事も枕として報告します。
洞門山緑地の外れと駅のホームの間は、岩塊のトンネルになってつながっているのですが、それを壊して道も広げ、アスファルトの道路にしようという計画がまた持ち上がったのです。確かにトンネルの高さも低く、下の道路も土なので雨の時は歩きにくい事もありますが、それでも円覚寺の結界内であり鎌倉の西の境界として風情のある景観を見せています。それを壊して斜面はコンクリートで固め、ノッペラボウの道路にしてしまえば安全で歩きやすくはなるにしても、鎌倉の入り口としての趣は全くなくなってしまい、又その道の続きは住宅に面した細い道なのでそれらを拡幅するわけにはいかないでしょう。とにかくそのような問題が今だあちこちに出ています。
それで台峯の話に移りますが、ここも長い市民運動の結果残されることが決まった後も歩き続けているのは、そんな問題が起こらないようにと監視を続けるためです。しかしそれらの土地の所有者でもなくなんら権限を持っているものでもない者たちですから、行政と掛け合ってもその声はなかなか届きません。
とにかく今、市の緑の行政が後退しているとのことです。先ず財政上のしわ寄せがきており、また人事面でも緑の事が分かる人材がいないことなどもあって、これからの台峯には暗雲が漂い始めているようです。緑を守ることはやはりそれなりに知識が要り、お金もかけねばならないからです。
竹内市長の時は良かったけれどと或る理事が呟いていましたが、折しも今朝の新聞にその竹内謙氏を偲ぶ会の通知が出ていました。
何が問題かという事はなかなか一口には言えませんが、とにかく今回で193回目となり、参加者も述べ2000人を超えるまでになったこの会は、はじめ「なだ いなだ」さんを中心にして発足したもので、素晴らしい景観や珍しい景色もそれはそれとして良いが、「何気ない所にある身の回りの自然こそが、貴重な自然だ」と、この台峯を愛されそれをいつまでも残したいという気持ちから歩き始めたことを発祥としています。それが効率性や利便性で次々に壊され開発されている今日、それが何とか残されいるこの台峯とその周辺がだんだん貴重なものになっていったのです。これからも歩く会の人たちは、ここがどのようになっていくか監視しながら歩いていくでしょう。土地生え抜きの人もいますが、近郊の人、千葉や東京の池袋辺りの人も参加しているグループなのです。
暗雲の正体は私が参加して知りえた範囲で追い追い報告していくつもりですので、今日はここまで。

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