お天気定まらぬ日の台峯歩き

居座る太平洋高気圧、沖縄には大型台風接近、不穏な世界を反映したかのようにお天気も不安定で過激、そんな切れ端を少しだけ浴びたような台峯歩きでした。
予報では処によってにわか雨も、と言っていましたが、朝は薄い雲はありながら晴天でほっとしていましたら、集合場所に着く前にもう雨が降り始めました。まさににわか雨、着くころはもう上がっていたのです。
K さんは鎌倉に住んでいるのですが、トンネルを抜けると…、こちらは雨なので驚きました、とのこと。こちらの北とはそれほどの違いがあるとのことです。トンネル(鎌倉山)を境にして海沿いと山沿い、植物にも昆虫にも違いがあり、そして人の気質にも違いがみられるようだという話を面白く聴く。今日は初参加者も4~5人いて、20数人。薄日も射す中歩き出しました。
第一の田んぼはまだ青い葉ながら黄金色の穂を垂れ、第2の田んぼは陰のため少し遅れていたのですがやはり実りの穂をつけていました。まだ赤トンボは山から下りて来ずシオカラトンボ、オオシオカラトンボが数匹残っている。昔皮から繊維をとったカラムシ、小さなイチジクの実に似ていてもイヌビワ、これは黒く熟すと食べられるという、白萩、撫でると葉が猫の毛のような感触のネコ萩、南天萩。また昆虫では一文字蝶、セセリ蝶(蝶ではないような羽をもつ)、ハラナガ蜂(土の中に巣を作る)などを目撃。また何とか残された崖では特徴的な3種のシダ゙、子持ちシダ、穂シダ、ホラ(洞)シノブ(これは紅葉する)などを初参加の人に教えながらいわゆる「老人の畑」といういつもの見晴らしの良い休憩場所に着きました。今日はいろいろ話も弾んで(これがこの会の良いところで、あることに関連していろいろな薀蓄がKさんの中から引き出されてくるからでしょう)ここに来るまでに11時過ぎになっていました。空には薄い雲が広がり風も吹いてきて、これまでの蒸し暑さが和らぐ感じでした。ところがこれが前兆でした。間もなくぽつぽつと雨粒です。実はこれからが本番の谷戸歩きなのです。
各自持参の傘を開いての谷歩きとなりました。最初はそれほどではなかったのですが、途中から激しくなりました。木の多いところで暫らく雨宿りをしてという考えも出ましたが、そのまま歩き続けることになりました。ここからの道中では観察は出来ず、ただ滑らないように、足元を気遣いながら歩いていきました。それでもキンミズヒキ草の美しさなどを道端に感じとりながら…。
解散場所にたどり着いたころ、雨はほとんど止んでいました。もう少し早く老人の畑を出ていれば、谷戸歩きの時激しい雨に合わなかったかもしれませんが、その前にのんびりといろいろな説明を聞きながら歩いたことで、初参加の人がとても面白かったと言っていたので却ってよかったのかもしれず、何とも言えませんが、とにかく予測が難しい山歩きの例を教えてくれた今日の歩く会でした。
家に帰り着くころにはもう陽がさしていました。窓から見ると遠い北の空には雄大な入道雲…。ここから眺めていると白く輝く美しい雲も、その下ではきっと急に暗くなって雨になっているのだろう…などと思うのでした。

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