コシアカツバメを見に行く。

今日も酷しい暑さ、北の空には盛んに入道雲が湧き上がっています。
昨日は曇り空で、蒸し暑いながら歩きやすかったので幸いでしたが、午前中コシアカツバメを見に行きました。ツバメが少なくなったと報じられ、そんな話をしていると、近くの小学校にコシアカツバメの巣があるという情報を耳にした人に教えられ、案内してもらったのです。
夏休み中は野球部など部活動があるので校門は開いているとのこと、入ると直ぐの玄関にそれはありました。すでに先客があり、三脚を立てて眺めている男性の姿にすぐそれと分かりました。あとからまた別の男性が立派な望遠カメラを持ってやってきます。
巣は3個あって、一つは巣立ちしてしまって空き巣、2つはまだ子育て最中のようでした。
普通のツバメは、斉藤茂吉の『赤光』の中の有名な一首「のど赤き玄鳥(つばくろめ)ふたつ梁にゐて垂乳根の母は死にたまふなり」からでも分かるようにノドが赤いのですが、これはノドではなくコシが赤いのです。また巣の形も、ツバメはお椀状ですが、これは徳利を横にして天井に貼り付けたような形、玄関へのアプローチに立つ垂直な柱と天井の直角になった隅にそれぞれ作られていて、ツバメのよりは少し大ぶりの感じ、ツバメ自体もちょっと大きく、尾羽も長い。
お椀状だとカラスなどから幼鳥が狙われやすいですが、これはその危険がなく、また垂直の柱や壁の上だと蛇も登れないでしょうし、また入口が一羽がやっと入り込めるような小ささで横を向いているのも、安全は完璧だろうなと思わされます。この日の午後、激しい驟雨に見舞われましたが、こういう時も、この巣であれば安心ですね。
ということは、中に鳥がいるかいないか、なかなか分からないわけで、じっと暫らく眺め続けていなければなりませんでした。すると、あ! 飛びました。続けてもう一羽! 
カップルが一緒に狩りに出かけるようでした。暫らくして、ほとんど同じタイミングで2羽が帰ってきます。鳴き声が聞こえないのはまだ幼いのか、そういう巣の構造なので声が漏れないのか? 何度か目撃しましたが、いつも一緒に行動するようでした。 
もう一つの巣は、ちょうど反対側にあって、そちらからもカップルが出てきます。双眼鏡を当て、確かに腰が赤褐色であることを確かめました。また巣の中にいてじっとこちらを眺めているらしい姿も見えました。「またうるさい人間どもがやってきているな」などと思いながら眺めているのでしょうか。
暫らく彼らの行方や飛び交っている姿を仰ぎ見たり、またいつ帰ってくるか、またいつ出ていくかわからない姿を待ちつつ巣を眺めた後、頻りに写真を撮っている男性たちを残して私たちはそこを離れたのでした。

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