お盆(新暦)の台峯歩き

九州北部で未曾有の被害をもたらしている梅雨末期の前線が北上しつつあるようですが、この辺は曇り空で、湿気はひどいものの風があるため歩くのには幸いしました。
お盆で連休のためか参加者は少なく、ゆっくりとモニタリングもしながら歩きましょうとKさん。昨夜はホタル観察会もあり、その前は山の手入れもあり、人数が少なかったのはそのためもあるでしょう。私はそれらをさぼっていたので、これに出ることができました。蛍は、この時期は平家ホタルで、源氏が少し残っているという状態。平家は光も弱く低い場所にいるので、源氏のような華やかさはなく、数はまあまあだったようですが、私も参加した前回が一番良かったようです。
この時期の見どころは、半夏生(半化粧)です。この辺りの湿地ではここが一番広範囲で見られるそうです。鮮やかな白でお化粧した姿が見られる時期が歩く会の日程にぴったりと合う日は年により違ってきますが、今回はそれがぴったりでした。ある場所では(半)ではなく(八分)くらいが真っ白ということもありました。その他セリやヤブミョウガの白い花。
それらの中で黄色のダイコンソウが目立ちます。ヤブカンゾウやネジバナは終わりごろ。ムラサキニガナというのも赤紫ですが小さく俯いているので地味で目立ちません。ところがこれが1メートル近くにまでなり、タンポポのように綿毛になって飛び立っていく、その寸前の姿が見られました。ジャノヒゲも薄紫の花穂をつけますが地味です。
その他可哀そうな名前を付けられたハエドクソウ(昔はこの葉っぱを蠅取り紙に使ったとか)、ヤブジラミなど。また馬を冠したウマノ・ミツバ(葉っぱが3枚ずつつく)、オオバ・ウマノ・スズクサなど。
ヤマイモに似ているけれどそれとは違う、オニドコロという厳つい名前の付いたものも、同じ種類でもヒメドコロという名前がついているのは面白い。姫のほうは葉っぱも少し細身で、地味な房のような花も鬼よりも長く全体として繊細なのである。
樹の花としては合歓の木ですが、なぜか今年は花が少ない感じもしました。実はこの近くの六国見山では、いつもはあちこちに見られるのに今年はまだ目にしないからです。その他カラスザンショウやアカメガシワの花(これらは黄色っぽく花という感じに見えない)。
この梅雨の時期、どんなに小さい庭でも草木はどんどんのびる。切っても切っても新しく伸びるのだが、それに白い小麦粉のような物がつき、それを枯らすようなのである。嫌なカビとも虫ともつかぬその正体を今日初めて教えられた。アオバ・ハゴロモだという。ずいぶん綺麗な名前だなあ…。幼虫は白いだけだが、成虫になると青みを帯びた体に白い羽をつけ、手で触ると跳ねて飛び去る。これが羽衣だなんて…、あまりにも良い名前を付けたものだと、あきれる感じ。
参加者の中には、初めてではありませんが板橋から来た人、また都内在住の高校3年という学生で大学では環境問題に係わる学部に行きたいという初参加の若者がいました。老齢化の進んできた歩く会の皆、特にKさんは期待する感じで、何をやるにも植物が基本だといろいろ話しかけ自分の考えを伝えていました。昆虫に詳しいようでした。

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