地震、大津波と原発事故その後について

前回急ごしらえの浅い知識ながらこの原発事故の怖さを、そうならないことを願いつつ書きましたが、そのシナリオ通り進み、いやすでにスリーマイルを上回り、チェルノブイリに近づいていくということにもなりかけていて、言葉が出ません。
地震と大津波の惨状も、日が経って状況が分かるにつれ、その凄まじさが露わになり、まさに目を覆いたくなります。その中にあっても奮い立って頑張ろうとしている人々の姿、救援の手をいち早く差し伸べる人々など、いざとなった時の人間の底力に心打たれています。そうせざるを得ないのでしょうし、カメラに向かって意気阻喪した姿は見せられないでしょうが、視ている私のほうが、今萎れてしまいそうな日々です。
今、この大震災、また特に原発事故について世界もあらゆる意味で注目しているようですが、今度の事故で、私は初めて「爆」と「曝」の違いを知りました。被曝とは、爆弾を受けるのではなく、放射能を浴びることなのですね。この辺りももう放射能が飛んでいるとお言われてます。なるべく外を歩かないようにと。水もだんだん危なくなるということ。これなどはまだまだ大したことありませんが、20キロ圏内の指示、30キロ圏内の避難要請。故郷を捨てざるを得ない人々の気持ちを考えると、胸が痛みます。
今日本はまさに、世界にその姿を曝(さらす)、曝してもいるのだな・・・とも思います。ただただ原発が一刻も早く鎮静することを願い、また被災地の復興が一日でも早いことを願っています。ほとんど役に立たないかもしれないけれど、私なりのささやかな心や義捐金を届けることぐらいしかできませんけど。
震災後の行事や集まり、約束などはすべて取りやめになっていたが、だんだん世の中も平常を取戻してたので、今日はこれから初めて電車を使っての外出です。
これから先は、帰宅してから追記したものです。
行く先は、横浜みなとみらいにある神奈川大学エクステンションセンターの、市民に開かれた講座、「『遠野物語』と現代」(講師:安藤礼二)でした。『遠野物語』が世に出て100年ということから、遠野の現地をはじめいろいろなところでもシンポジュームや催し物が企画されましたが、これもその一つです。水野さんや福井さんに誘われてですが、毎回とても刺激的で高度な内容の講座です。遠野も今度の大震災の被害地の一つですね。
3回連続講座でしたが、最終回の前に地震が起こり延期になり(このことも劇的でありました)、2週間遅れて今日になったのです。この物語の持つ意義を、日本の古典から始まり現代までの文学、歴史や民俗学にまでわたって論じてきて、最後は現代に及ぶところで中断していたのです。
この物語が、いかに現代の、まさにこの大災難に直面した日本、そして日本人に示唆を与えるものであるか、この今を予感したようなこの最終講座であったことを知り、しかも現代と結びつく内容であったということでちょっと興奮しました。
その一端でもここに書こうと思いましたが、難しいです。
節電のため駅はホームなど肝心な場所以外は消灯していて全体が薄暗い。コンビニもスーパーも閉店かと思えるほど薄暗く、売り場だけを照明が当てられているが、どことなく薄寒い。品物も平時とそれほど変わっていないように思えるが、肝心なもの、売り切れと言われているような品目の棚はがらんとしている。みなとみらいもエスカレーターや歩く歩道は停止しているので、皆ぞろぞろと歩いています。日曜なので停電がないので、買い物などにみな出ているのです。従業員たちの応対は丁寧で落ち着いており、客も通行人も、皆平静で目的に従って行動しているという感じで、この異常な事態を平静に受け止め、淡々と行動しているように見えます。苛立った声も、喧嘩も言い争いも見かけませんでした。黙々とした感じで雑踏が動いています。
よく政治家が使う常套句、「粛々と」がありますが、今日電車に乗り街を歩いた私の印象から言えば、民衆は今のところ粛々とこの事態に対応しているように見えました。
私は花粉症になったか、風邪かという感じで鼻がむずむずして気分もよくありませんが、『遠野』講座を聞き、大変大きく深い内容で私が理解できたかどうか危ぶまれますが、何やら勇気をもらい、帰ってきました。「人はどこからきて どこへ行くのか」というのがありますが、「日本人はどこからきて どこへ行くのか」の示唆のあるこの書を持つ私たち日本人は、誇りを持っていいような気がしました。みなさん、それぞれの立場で元気に生き抜き、これからいい世の中になるように努力しましょう。
今日は計画停電がなかったのでのんびりしていましたが、明日からまた始まります。直前になければ分からないので、この点スーパーなども開店するかしないかで困っているようです。ここも予定通りだと夕方から夜の時間帯になり、一番嫌な時間帯です。電気の有難さが分かりますけど。

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