いまこの辺りは最後の紅葉(黄葉)です。
わが家でも遅かったドウダンやモミジが、蜜柑色、紅色の混じった葉をまだ散り残し、陽射しをあびて秋の終わりを彩っています。
昨日、朝はかなり冷え込みましたが、穏やかな晴れ。台峯歩きの日でした。
本格的な開園に向けてあと5年、今の所うまく行っているそうです。幾つかの団体、またいろいろな人が関わっていますが、意見が違うこともあってもそれぞれ出し合い話し合って、できるだけ今の自然を壊さないように、いい形で残そうという共通の目的に向って、役所と協力して保存の努力整備をしているとのことでした。
今日は20人ほどの参加者の中にまだ学齢期に満たない女の子が3人いました。とても元気で、大人たちの間を潜り抜けたりしながら、遅れずに最後まで歩き通しました。初参加の家族でしたから、なるべく先導者のKさん近くにいて、迷子にならないように、この谷戸には幽霊が出るかもしれないからと言うと、「ゲゲゲ」の影響でしょうかそんな妖怪にあって見たいなどと朗らかです。
実際そういう話は、この谷戸にもあるそうです。ここはまだ外れですが中心部はなおさら、この地は鎌倉時代から戦国時代にかけて歴史的に多くの合戦があり血塗られた地域です。多くの谷戸は尾根で戦った負傷者や死者が転げ落ちていく先でもあります。霊が漂っていても不思議ではありません。だからここに入るときは、ちゃんと手を合わせて礼をし、許しを請うて入り、出るときは無事に出られてありがとうと手をあわせてというのが、このグループの基本的な姿勢です。
そういう現象が起こるところを、忌み地というそうで、ひそかに人伝えに語られるようです。大体において高級住宅地に多いとか、たとえば鎌倉芸術館などもその一つで、バラ園のあるほうはいいのですが、裏手の物陰などは霊気が感じられるそうです。
話が陰気になりましたので話を変えます。この辺りで、今紅葉しているのは、先に述べたモミジ(山モミジで、イロハモミジが多い)、次に黄褐色のコナラです。それらが緑葉樹の濃緑にまじって落ち着いた山並みを見せています。田んぼはもう刈り取られた姿ですが、水が残っているのでまた青い稲が生えてきているのでした。
今日は落ち葉の観察でした。それぞれ何の葉かというのですが、見分け方はとても難しく、そのポイントを教わります。形だけでなく葉の筋(葉脈)、葉のギザギザ(鋸歯)、葉脈ののつき方などで判別しますが、似たようでいてもそれぞれに違った形をしていて、自然の微妙さ、巧妙さに驚くばかりです。堆肥にいいのはケヤキとコナラで、肉厚のものがいい葉で、イヌシデなどうすくてペラペラなものは良い堆肥にならない。武蔵野のケヤキ林も、あれは幕府が植林させたもので、それ故にいい畑地が生まれたのだそう。
葉を落とした林に集まる野鳥たちの姿がよく見える時期でもあり、シジュウカラ、ヤマガラ、メジロ、アオジなど、でも私はそれらを見つけるのは下手で、追いかけるのもダメ、野鳥の会の会員には向いてません。しかしこの日、この辺では珍しいルリビタキがいると、Kさんの三脚のついた大きな望遠鏡を覗かせてもらって見たことだけでも十分満足しました。
ハンゲショウの自生する湿地の先のほうの湿地で、ツリフネソウの枯れたのがすっかり刈り取られていたのが目立ちましたが、どうやらその周りにある芹を採りにくる人が、芹を増やそうとしての行為であるらしい。例年ごっそり摘んでいく人あるらしく、商品にしているらしい。自分の土地でもなく、また自家のためだけではないその行為に、ただ憤慨するしかないのですが。
道の傍にみられる小さな赤い実は、ヒヨドリジョウゴ、ハダカホオズキなど面白い名前。私のうちでも今、ヤブコウジやマンリョウ、南天の赤い実があります。
小さい身体で歩きにくい山道を無事に歩き終えた3人の女の子たち、最後のアスファルトで一番末が転んでしまいました。でも泣きませんでした。めでたしめでたし。
これで今年の台峯歩きはおわり、私のブログも書き納めです。では皆様良いお年を!
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