梅雨明けの台峯

気象庁の梅雨明け宣言の出た翌日の昨日、台峯歩きだった。
真夏の陽射しが照りつける朝、日中も30度を越す暑さとなるという予報で出足が鈍ったが、思い切って、熱中症対策も一応して出かける。
でもアスファルトは照り返しがあってうんざりするが、コースは崖に挟まれた道や山陰が多く、谷戸に入ればほとんどが日陰、風も程よくあって、快適な歩きとなった。熱中症にならないように、ゆっくりと出来るだけ日陰を歩くようにしましょう、という先導者の計らいもあって、日向は急ぎ足で、日陰はのんびりゆっくりと、適当に観察しながらの休みをとり歩いたのだった。参加者はやはり少なく、15,6人でちょうどいい人数。
この時期、木や蔓の地味な花たちが見られる。カラスザンショウ、アカメガシワ、蔓はオニドコロ、ヒメドコロ(山芋の葉ににている)、ヤブカラシ(庭では嫌われ者、私も見ればたちどころに抜く。いつのまにが太い蔓になり蔓延って屋根まで這い上がる厄介者。しかしこれには蜂などの昆虫がよく集まるのだとKさんはいう)。
そして今花盛りなのはネムノキ、眉刷毛のような紅色の花を樹冠に一斉に咲かせていた。ネムは合歓、夜は葉が閉じるから名づけられたが、風情のある花だが、桜のようには注目されない。この辺にはあちこちにあって、紅の色には木によって淡い、濃いの違いがあることを初めて知らされる。
草の花としては有名なハンゲショウ(半夏生・半化粧)だが、例年ならもう終っているはずであるが今年は十分に見ることが出来た。半分白いのは葉で、その傍らに白い房のように出ているのが花。粉化粧のような香りがする。その他ヤブカンゾウ、コヒルガオ、ダイコンソウ(黄色の5弁の花)、日陰にはヤブミョウガの白い小花、ハエドクソウ(蝿毒草)という可哀そうな名前を持った花が、谷戸のは入口の道端にあるのを教えてもらう。花は可憐で、ランに似た小さピンク色の花々をつけていた。
又葉のなかに沈み込むように咲いているジャノヒゲ(蛇の髭)の花。この花はほとんど人目につかず咲きます。葉も地味だが花も葉に隠れるように咲く。でもよく見ると可愛いでしょう、とKさん。人間もそういう存在の人がいるのです。そしてこの台峯の谷戸も…、などとまたKさんのお決まりの人生哲学話へとなって、皆が笑います。
第一の田んぼは、青い稲が涼しげに波打っている。60センチほどか。
塩辛トンボが飛んでいます。向かいの林に新緑のような色をしたところは、コナラやクリが夏になって出す新しい枝葉で、土用芽というのだそうです。すなわち春と夏の2回、新芽を出しその色合いが楽しめるということです。
第2の田んぼも少し生長は遅いようでしたが青い稲田でした。
その畦の草に網を張っていた、体長10センチくらいの大きな派手な(黒に黄の3本の横縞)を見つけてカメラを向ける人があります。コガネグモ(兵隊蜘蛛とも土地の人は言うとか)という。この蜘蛛の足の置き方も特徴があり、両方の前足2本ずつを前に揃えて置くのだそうです。ちょうど女の人が三つ指をついてお辞儀をするように…、とてもお行儀がよく綺麗でしょう、今はもうそういう人はいなくなったけれど…と。これには女性軍から大きな笑い声。その他にも女郎蜘蛛の子ども、ゴミグモやら、蜘蛛もいろいろありその網の形もさまざまで、これも深みに入ればきりがないようです。
さて今回の心配事は、見晴らしのいい老人の畑の入口の蜂や甲虫が沢山集まっていた古い樹の樹液がほとんど無くなっているようだとのこと。何とか手を打たなければということ、そう言われてみるとこの並びの木々が何となく乾いて精気がない感じもします。
梅雨末期、各地で大雨、土砂災害で痛ましい事件が生じた。異常気象ということもあるが、やはり山が今荒廃していることも一つの原因だ、とここでも話題として出ました。
いろいろまだ教えられたこともありますが、今日はこの辺で。

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