やっと梅雨に入り雨の日が続きます。災害も起こり、うっとうしい雨空は気を滅入らせ暮らしにも気を使わせられますが、年々激しくなる真夏の日射を遮ってくれるということで助けられる気もします。それにやはり独特の文化も、これら雨の影響も大きいと思います。
さて昨日の台峯歩きの日は、幸いに朝夕ちょっと小雨があったものの曇り空で、歩くには良いお天気になりました。またそろそろ蛍の時期だと思っていましたら、同じ日の夕方が観察会とのことで、その両方に参加してきました。
台峯歩き。
今回は新しい人もかなりいて22~3人くらいになりました。
夕方から蛍の観察会があるので、今日のカラープリントは主として蛍についてです。
市内では最近、川が綺麗になりつつあることから、至るところで見られるようになったということ。山沿いの川には源氏ボタル、田んぼや湿地の周辺には平家ボタルが見られるのですが、谷戸ではその両方が見られるのです。だからここでも両方が見られます。その違いは、時期として源氏の方が早く、平家はその後(これは歴史の物語としては反対だなあ)、大きいのは源氏で、そのためか光り方も強くゆっくり光る。平家は姿も小さく、光も小さいが早く点滅する。
その他蛍の一生やその生息場所、保護をする際の注意や問題点。また観察する際の注意など、その他の種類のホタルなど細かで分かりやすい数々がかかれています。
最近ホタルを飼ったり見たりする事がはやり、又それは簡単ですが、大切な事は人間が自分の都合で自然な生息地をいじることが一番良くないということのようです。
ですからホタルを持ち帰ることはもちろんいけないが、そこに他所のホタルを放ってはいけない。また餌になるカワニナなどの貝類を他所から持ち込まないことです。
最近、コモチカワツボというカワニナとよく似た貝が市内でも広がっているという。(ホタルの餌としてカワニナの代用になるので、ホタルの養殖との関係が指摘されているという)。
しかもホタルは、先ず水際のコケに産卵するので、そういう自然環境が必要です。それがサナギになるのは、土手が必要です。サナギが孵化して幼虫になり、それが水に降りてきて川や湿地で貝を食べて育つ。そして水から出てきて成虫になり、交尾する相手を探すために光りながら飛びます。寿命は3~4日から1週間。その間何も食べないで、ひたすらメスを求めてオスは飛び回るのです。その必死の営みを私たちは、ああ綺麗だと鑑賞するわけです。(メスも光ってオスへの信号は出すそうですが、草むらや葉の陰にいるので私たちの眼には見えないらしい)
前置きが長くなったが、この梅雨の時期、白い小さな花が目立ちマテバシイの花の強い匂いに促されて歩き始めます。この古木のある駅前の円覚寺の取り残された石垣は鎌倉石で、この凝灰岩は水を含みやすくもろいので、地衣類コケ類、小さな植物たちの覆われやすく、そのため古都らしい落ち着いた風情をもたらすことになります。その石を使った、コース途中の家ではイワタバコが咲いているのが見られました。
第一の田んぼでは、青々とした若い稲が気持ちよく広がっていました。その畦道にカルガモが二羽、カップルでしょうか坐っていて、ときどきに田んぼの水のなかに入ったりしています。ここでは他にシオカラトンボ、それから珍しく人間が3人(男1、女2)、菅笠をビニールで被ってかぶり、苗代で苗を束ねる作業をしてました。
また第二の田んぼもまだ健在。
その後、谷戸に入り、今夕辿るであろうホタル観察会のコースの逆を歩いたのですが、二三日前に雨が続いたので足元は悪くどろどろべチャべチャの所も多く、長靴でなければダメだということが確かめられました。
しぼり水が少しばかり淀んだ水たまりでは、ホタルの餌になるカワニナも確かに確認でき、淡水にしかいないマシジミやホトケドジョウの稚魚なども泳いでいることを教えられましたが、その時Kさんが悲鳴に似た声を上げました。そこにいるはずもないカワニナに似た貝を幾つか発見したからです。先に述べた外来種コモチカワツボではないが、それに似ているモノアラガイではないだろうかと。
Kさんは、小さな変化も見逃しません。では出発ということで手にとって回されていたマシジミも本のところに帰して、と水中に放り込んだのですが、そこが流れの真ん中であることを知って理事であるMさんだったのに叱られてしまいました。貝は浅瀬の土砂の中に棲むのに、ふかい水のなかに放り込まれたら可哀そうではないかと。貝に足があるわけではなく、その浅瀬に帰っていく為にどれだけ苦労をしなければならないか・・・と。何年も通っているMさんが・・・と。Kさんはいつもは優しいのに、ここの動植物のことになると絶対的に厳しいのだから・・・とMさんが頭をかきます。
それほどまでに、この谷戸の生きものたちを偏愛しているKさんです。
長くなりましたので、今日はここまで。
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